竜ヶ岳 (1099M) 平成25年5月24日(金) 晴  単独
3年前、kayoさんとシロヤシオを見に鈴鹿の竜ヶ岳に登ったが、その年は完璧な裏年で全体で数輪の花しか見られなく最悪だった。ま、こういう年に行くのも難しいと思うが、天気は快晴だった。「私をシロヤシオと思ったらええやん!」の言葉に納得したフリはしてあげたが、やっぱり本物満開のシロヤシオを見てみたい。まるで羊の放牧のように見える姿を見てみたい。去年は裏だったので、今年はおそらく表だろう。そう思い早くから狙っていた。最初は来週の木曜日に行くつもりだったのだが、あまりにも今日の天気が良さそうなので行く事にした。私にすれば天気も非常に大事である。

予報通りの素晴らしい天気に恵まれた。7時前に着き、宇賀渓の入口手前の無料駐車場に車を停める。入って行くと登山届けを書くのと、環境保全協力費の200円を払うように言われる。確か3年前の時はなかったと思うが?物腰の柔らかい管理人が地図をくれ、こちらが聞かずとも丁寧に説明をしてくれる。昨今はブームで初心者も増えたので仕方のない事だろう。500円の有料駐車場を利用すれば保全費は免除されるようなので、1台3人以上なら有料駐車場を利用した方が安くなる。これぐらいは私にでもできる計算だ。



実は登るコースを着くまで悩んでいた。新遠足尾根コースが新たに整備されたのだが、エビネが咲いていたというのはどっちか?おそらく人気のないコースだと思い、旧道から入る事にした。

植林の中、道とは到底思えない急坂を注意しながら登って行く。やがて息は切れるし花はないしで、だんだんと気分は落ち込んでしまう。いつもの事ながら、私の勘は見事に外れたようだ。



ようやく遠足尾根の端に乗ると、道は緩やかで快適になる。涼しい風も通り気持ちが良い。鹿の鳴き声が聞こえ、100Mぐらい先を鹿の群れが走って横切って行く。

フタリシズカの群生地が所々にあるが、何年も見ていない久しぶりに見る花だ。



大向日(696M)に到着し小休憩。涼しいと思ってはいたが、かなり汗を掻いたようだ。

新遠足尾根コースの分岐を過ぎると完全な自然林となり、輝くような新緑が美しい。



やがて周囲が開け、遠方に竜ヶ岳の山頂が少し見えてくる。しかしまだかなり距離があり、アップダウンもあるし、遠足尾根はやはり名の通り長い。

しかし展望を楽しみながらの歩きは格別。



やがてシロヤシオの木が現れてくるが・・・???

よく見ると、一本の木に付いている花数が少ない。木によっては全く付けてないのもある。今年は表だと思っていたが、またもや外れたか。。



しかし、近くで見る分にはこれでも十分だ。少し離れると分からないが、赤で縁取られた葉も特徴的でオシャレ。たくさんの花は一見派手に見えるが、こうした繊細な部分も持ち合わせていて美しい。



覚悟はしていたが、やはり今年も白い羊はいそうにない。風がなくなり、だんだん暑くなってくる。

振り返ると、どっしりとした尾根にたおやかに延びる道が美しい。このような景観も竜ヶ岳の特徴だろう。



山頂にだんだん近付いて来ると、一本の真っ白な木に目が止まった。いたいた羊だ!

この木が一番花付きが良かったようで、他の方のレポにも多く載せられていたようだ。



見渡しても白髪交じりもあるが、ほとんどが緑のヘアスプレイをした羊ばかりである。



竜ヶ岳山頂に到着。標高は1099Mしかないが、なかなか歩き応えがあるし、雰囲気もその程度の山とは思えない。まだ10時過ぎなので人は少なく静か。景色を楽しみながら、のんびりと昼食を取る事にする。



360度の展望と、私にとっては贅沢だとも言われる青空が嬉しい。鈴鹿の盟主がずらりと並ぶ。まず左上の写真は南方面。手前から三池岳、釈迦ヶ岳、国見、御在所岳と続き、奥右に雨乞岳が見える。

右上の写真は北方面。左が御池岳で、右が藤原岳。



左上の写真は西方面。手前の細かな山はパスさせてもらうが、一番奥に薄っすらと見えるのが比良である。

右上の写真は東方面。どこの街だかよく分からないが、右奥に伊勢湾も見えていた。手前下の谷には宇賀渓も見えている。



そろそろ11時なので下山する。少し下りた所で美しい御婦人と擦れ違い、その後すぐに下の人から私の名を呼ばれる。懐かしい大阪のテクテクさん夫妻だ。テクテクさん夫妻と会ったのは赤兎山以来で、約8年ぶりの再会になる。変わらず口もお元気そうで何より。山頂で会えば、もっとゆっくり話ができたのに残念だ。またいつかお会いできる事を願って別れる。

これは後から分かった事だが、水曜会の
yakoさん、ドルフィーさんも来られていたが、たった15分の違いで会えなかった。これも竜の悪戯だろうか?



下山は金山尾根コースを使うつもりだったが、テクテクさんが新遠足尾根コースにエビネが咲いていたと言うので、急遽そちらに変更。立派な分岐を見落としたと思い、また戻るというおバカな一人芝居をやってしまい15分ぐらいのロス。これも竜の悪戯か?

新遠足尾根も植林の中の急坂だが、丸太などを使って整備はされている。九十九折の途中の道沿いで、やっとエビネの群生を見つける。見事ではあるが、いつまでここにあるかはかなり疑問だ。



沢の音がだんだんと大きくなってきて、やがて林道に下り立つ。途中で「竜の雫」と書かれた沢水で顔や手を洗い、朝書いた登山届けに下山時刻を記入して車に戻った。


今年も羊を見る事はできなかったが、それなりにシロヤシオは楽しむ事はできた。日を通して青空の下の展望を楽しみ、そしてまさかの嬉しいサプライズ。これ以上贅沢を言ったらバチが当たるだろう。ここの羊は逃げないので、追っかけはまたやればいいのだ。
 
 休憩を含む行程時間
 駐車場(6時45分) → 旧遠足尾根登山口(7時00分) → 大日向(8時15分) → 新遠足尾根分岐(8時30分)
 → 金山尾根分岐(9時40分) → 山頂(10時15分〜11時00分) → 新遠足尾根分岐(12時50分かなりロスあり)
 → 林道下山口(13時35分 → 駐車場(14時15分)

 
 所在地
 三重県いなべ市
     MAP    GPS軌跡
  





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