夜叉ヶ池(1099M) 平成25年7月5日(金) 雨のち曇  みれさん

今日は梅雨の真っ最中で山は諦めていたのだが、早朝に天気予報を確認したら10時頃から天気は回復しそう。野坂岳でもいいと思ったが、ふと夜叉ヶ池が頭に浮かんだ。私は神秘的な夜叉ヶ池が好きで、ここ10年は毎年必ず行っている。別に早くから狙って計画なんてしているわけではなく、不思議とこの時期になると頭に浮かぶのだ。やっぱり・・夜叉姫が呼ぶのだろうか?ならば、こちらも夜叉のような・・いや間違い、みれ殿とゆっくり出掛けた。


ゆっくり走って10時頃に登山口に着くと、空はかなり明るくなってきたがまだ小雨が降っている。駐車場は1台も停まっていない。物好きな人もいるかと思ったが、私達が物好きだったようだ。夜叉ヶ池までなら急ぐ事もないので、車の中でのんびり雨が止むのを待っていると、京都ナンバーの車が入って来た。どうやら物好きは私達だけじゃなかったようで、少しホッとする。3名さんのグループのようで、カッパなどを着込んで出発して行く。私達はこの蒸し暑さの中でカッパなど着るなんて嫌なので、雨が完全に止んでから出発した。



沢沿いを進むが、昨日からの雨で水量が多く流れる音も凄まじい。みれ殿はたった18Lのザックと、いつ買ったか思い出せないような劣化しかけたザックカバーと・・必殺手抜きスタイル。

道沿いはヤマアジサイが真っ盛り。もしかしたらササユリがまだあるかと思ったが、それはやはり甘い考えだった。



思ったより涼しい平坦な道を進むと、左前方に激流が流れ落ちる夜叉ヶ滝が見えてくる。滝の写真を撮っていると、すぐ近くでドーン!という大きな音がする。一体何事が起きたかと焦ったが、みれ殿は道の少し先を岩が落ちていったと言う。雨で地盤が緩んでいるのだろうか?みれ殿からそれを聞いてゾッとする。上の斜面を見ながら道を進むが、せめて私のとこだけには落ちてこないように祈るばかりだ。

ピンクのシモツケソウの花が咲き始めている。



沢は水量が多く激流で、橋を渡るのもあまり気持ちがいいものではない。

ハナウドの花を見上げ、おそらく食べられないかと思っているに違いない。



岩谷の大トチノキを過ぎると、沢を離れて九十九折に斜面を登って行く。深く濃い緑が印象的だ。



先程の3名さんを追い越し尾根に上ると、いよいよ急登の始まりだ。道は濡れて滑り易いが、新しい靴なのでグリップがよく効く。さすがにだんだんと蒸し暑くなってきたので途中で少し休憩するが、虫が全くいなくて快適だ。

相変わらず剥き出しになった痛々しい木の根だが、いい加減に対策を考えてもいいように思う。やがて目に付くようなブナが現れ、濡れているせいかしっとりとした雰囲気が漂う。



「あと200M」の標識を過ぎると道は緩やかになり、木道になって夜叉ヶ池に着く。池の淵にはモリアオガエルの卵が多くぶら下がっている。サワフタギの花も終わったようで、何となく殺風景。

周囲を見渡しても、誰もいる気配はなく静か。管理人もいない。涼しいというより少し寒いぐらいの風が吹き抜けていて、暑さで火照っていた体を一気に冷ましてくれる。



稜線に上り、夜叉ヶ池山の方へ少し上ってみる。ニッコウキスゲには少し遅いとは思っていたが、花らしい花はこれぐらいとはちと淋しい。周囲、遠方を見ても残骸らしきものは少なく、やっぱり今年は少ないのだろう。確か去年は多かったかも?



一番目に付くイブキトラノオもほぼ介護状態で、代わりにギボウシが最盛期を迎えている。

池を下にしての定番の眺め。空はだんだん明るくなり、三周ヶ岳も見えてきた。



福井県側は日野山も見えている。岐阜県側は管轄外なので分からないが、ただ人が全く登って来ない。天気の事もあるが、この時期は誰かは登って来るはずなのだが?そういえば、先程の3名さんも撤退したようで来ない。ちょっと不思議?



静かな池の淵に戻り、簡単な昼食。夜叉ヶ池が予想外の貸切だなんて・・だんだん贅沢な気分になってくる。みれ殿から弁当の余りと思われる物も頂き、御馳走様〜

新しい靴もバッチリ!(同じ物なので当り前か!)



下山は樹林帯に入るとさすがに暑かったが、口にまでは出ないギリギリのレベル。いつも反対なのに、どういうわけかみれ殿は愚痴を溢していたけれど。。?

ニッコウキスゲには少し遅かったけれど、珍しく静かな夜叉ヶ池を堪能でき満足。感謝♪






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