夜叉ヶ池・三周ヶ岳(1292M) 6月13日(金) 晴  単独
夜叉ヶ池のニッコウキスゲが咲き出したという情報で、早速出掛ける事にした。夜叉ヶ池は私の好きな場所の一つで、夜叉姫に逢いたい一心で年に一度は必ず通っている(笑) ちなみにコバイケイソウも咲いた去年は19日だった。今までわりとガスで神秘的になった池の場合が多いが、今日は珍しく快晴の予報!笹薮が少し気にはなるが、三周ヶ岳まで足を延ばしてみたい。
天気がいいと分かっていると、不思議と目覚めも早い。(^^ゞ 広野ダムからウツギやハナウドが咲く岩谷林道を走り、終点の登山口の駐車場に6時半に着いた。どうやら一番乗りのようである。車から降りると、冷気が漂っていて寒いぐらいである(このぐらいがちょうど良い) 沢沿いのまだ陽の当らない平行道を軽快に進む。ササユリも少し期待していたが、まだ少し早いようだ。ミヤマナルコユリもまだ蕾。コアジサイの青紫の花だけが道を彩っている。やがて見えてくる夜叉ヶ滝は、豊富な水を飽きずに落としている。 
木橋を二度程渡るが、沢の上流付近のハナウドもまだ咲いていない。小さなミズタビラコの花に目が止まる。ついつい見上げてしまう大トチノキを過ぎると、本格的な登山道が始まる。ブナ林などの中、休憩を挟んで急坂をマイペースで登るが、風もなく汗が滴り落ちてくる。
「池まで200M」の標識を過ぎると、前方に三周ヶ岳まで続く稜線が見えてくる。澄んだ青空が眩しく嬉しい。(^^ゞ 8時10分、まだ誰もいない静かな池に着く。陽がガンガンと当っているので、今日は神秘的にはあまり見えない(苦笑) 池の周囲はサワフタギの白い花が咲き始めている。
木道を辿って稜線に上ると、アザミやイブキトラノオなどが風に揺れている。岐阜側の斜面には黄色いニッコウキスゲの花が、まるで散りばめたように咲いている。腰を下ろして少し休憩をするが、小さな虫が顔や頭にに纏わりついてきて鬱陶しい。もっと違うものが纏わりついてきてほしいものである。(^^ゞ それにしても耳障りな羽の音だ。花の写真は後にして、三周ヶ岳へと向う。ナナカマドの花が目立つ稜線、細くなった道を福井側や岐阜側の山々を眺めながら、小さなアップダウンを繰り返しながら進む。岩付近には小さなアカモノが群落を作っている。エンレイソウはすでに実になり、タニギキョウやマイヅルソウがちらほら咲いている。ウラジロヨウラクの花が青空に映え、サラサドウダンもまだ咲いている。けっこう花があって満足する。
花を写して立ち上がった瞬間、すぐ左近くの笹の中で獣が動く大きな音がした。ビックリした私はスットックを叩きつけ、思わず無意識に叫んだ第一声は?「コラァー!!!」・・何でやねん?(^^ゞ そんで第二声が?「ウゥゥー!!!」・・獣のマネしてどうすんねん?(^^ゞ それから50Mダッシュ!f(^-^;  何事もなかったが、人間なんていざとなると何をするか分からないものだ(苦笑) 展望の良い1252Mの小ピークまではあまり薮は気にならないのだが、それから先は一段と深くなる。掻き分けながら、時には潜りながら・・という感じである。足元を注意確認しながら進めば迷う事はないが、思ったより時間がかかる。相変わらず虫が多くてうっかり口を開けていると、口の中に苦味が広がる可能性がある。(^_^;)
池から約1時間かかって誰もいない山頂にようやく着く。木立が少し高く、大展望と言うには気恥ずかしさを若干感じてしまう。能郷白山など越美の山々を見渡せ、期待していた白山も薄っすらと見える。景色を堪能し、食事をしてまた池へ戻る。
白山をズーム
遠方に伊吹山
日野山や越前市の街並
途中で一組の夫婦と擦れ違う。私と同様に、「虫が多くてたまらん!」とボヤいていた。結局この日三周まで行ったのは、私とこの方達だけのようであった。池への最後の下りで、前方から見覚えのある方が登って来られた。野坂岳情報の穂高さんである。私のこんな顔をようやく覚えてくれたようで、こちらから声をかけなくても気付いてくれるようになった。(^^ゞ 穂高さんもニッコウキスゲを見に来られたという。たまには野坂岳を離れて気分転換も良いとか!?(微笑) ただ、池までの道中に花が全然なかったのが面白くなかったと言われる。少し話をして下りて行かれた。私はキスゲや池を写すのに、反対の夜叉ヶ池山の方へ少し登る。
斜面はキスゲで黄色く染まりかけていい感じだ。湿度が低いので助かるが、真夏のような陽射しが容赦なく照り付ける。この白い柔肌?がヒリヒリしてきた。(^^ゞ じっと花を写していると、またもや虫の攻撃を受ける。(^_^;) もう少し風が強いといいのだが。。ほどほどにして退散!
結局、池の周囲も含めて10人少々しかいなかったんじゃないだろうか。これは後で知った事だが、岐阜県側の登山道は明日開通だったらしい。道理でこの天気なのに少ないはずだ。祠の日陰に監視員さんがいる。ゲッ!またあの監視員さんである。偶然にも、ここ4年ぐらい来る度に同じ人である。以前、自慢じゃないが火を使って怒られた事がある。f(^-^;  忘れたくても忘れられない憎い・・・お・ひ・と!(苦笑) 目を合さず、陽の当り出した道をゆっくりと下りて行った。f(^-^;

虫の多さには参ったが、花と展望を楽しむ事ができて満足だった。藪もたまには良いか。。(苦笑)
アカモノ ウラジロヨウラク サラサドウダン
マイヅルソウ タニギキョウ イブキトラノオ
サワフタギ ナナカマド コアジサイ
 <休憩を含む行程時間>
 登山口(6時45分) → 大トチノキ(7時10分) → あと1000M標識(7時41分) → 夜叉ヶ池(8時16分〜8時30分)
 → 三周ヶ岳(9時39分〜10時20分) → 夜叉ヶ池(11時17分〜11時56分) → 登山口(13時05分)
 
 <所在地>
 福井県南条郡南越前町  MAP






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