綿向山(1110M) 1月12日(水) 曇のち雪 単独
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今年に入ってから天気の悪い日が続く。県内の週間予報を見ても、まるで晴マークを忘れたんじゃないかと思うぐらい。。先週の赤坂山で失敗したため、今回はどうしても新春登山を成功させたい。滋賀の予報を見てみると、北部は雪だが南部はまあまあの天気になっている。南部の山はよく知らないが、雑誌にも紹介され、最近ネットでもよく見かける霧氷で有名な綿向山が思い浮かぶ。そう考えているうちに、霧氷を・・ムヒョウに・・いや・・ムショウに見たくなってきた。しかし綿向山は北部と南部の間の中途半端な位置にあって、どちらの予報を信じていいのか分からない。血液型で言えばAB型のような山なのである。ちなみに私はB型で、相方はA型という最悪に近い組み合わせ。そして息子はAB型!全然関係のない話になってしまったが、綿向山の天気が悪かったら前から気になっている金勝アルプスに変更するという・・私に似合わない計画性だ。

目が早く覚めて5時に雪の降る中を出る。滋賀県に入っても雪は止まず不安になるが、長浜に入ってようやく消える。日野町に近付くにつれて空も明るくなってきたが、何かヘンな天気である。琵琶湖の上部から西には雲がなくキレイな朝焼けなのに、鈴鹿の山の上部だけ・・ガスはかかっていないが怪しい雲がある。まあこれでも上等だと思い綿向山に決める。
7時過ぎに御幸駐車場に到着。平日で早朝とあって当然誰もいない。気温がかなり低く、うっすらとある雪がカチカチに凍っている。ここで適当に車を止めてしまったのだが、これが後で大汗をかく事になろうとは・・? 7時半過ぎにワカンとアイゼンを持って出発。コースは表参道から上り、竜王山経由で下山する予定。
林道を少し行くと、「天然記念物 綿向山山麓の接触変質地帯」と書かれた看板が立っていて岩がある。どこが変っている岩なのか見た目には分からないが・・説明を読んだら余計に分からなくなった。深く考えないで先を急ごう。。林道の終点にはヒミズ谷出合小屋があり、水無尾根道との分技がある。そのまま真っ直ぐ鉄橋を渡って表参道に入る。
杉林の中の緩やかなジグザグの道を歩く。変化のない単調な道で、杉林は5合目辺りまで続く。以前、台風で多くの杉が倒されたらしく切株がいたる所にある。連休中には多くの人が登ったのだろう。トレースがしっかり踏み込まれていて、アイスバーン状態で注意をして歩かないと滑る。3合目で一度林道に出て、再び登山道に入るとすぐに「あざみ小舎」と書かれた休憩所に着く。ここから我慢できずにアイゼンのお世話になる。
高度を上げるにしたがって雪は深くなり、サラサラのパウダースノーになってくる。この雪は若狭の山ではなかなか味わえない。歩いていても気持ちがいい。やがて5合目の小屋に着く。以前は汚く古い作業小屋だったらしいが、去年新しく建て替えられて快適な小屋になっている。天気が悪い時など・・特に冬はこういう小屋はありがたい。辺りは切り開かれていて眺めが良く、街並が見える。どこの街だか全然分からないが。。7合目の「行者コバ」と呼ばれる所から冬道に入り尾根を直登する。ここからようやくブナなどの美しい自然林になり、霧氷が見え始める。
高度を上げるにつれて素晴らしい霧氷のトンネル!バックが青空だとなぁ。写真を撮っていると地元の男性の方が登ってきた。その方の話によると、氷の先が丸くなってきていてイマイチの状態だと言う。一度全部溶けてまたできるといいらしい。「一緒に登りましょう!」と言われたが、写真を撮ったりして迷惑をかけるので先に行ってもらう。 ・・・慎ましい一面が出てしまった。。
登り切って右に折れて少し行くと山頂。綿向馬見岡神社奥宮の大嶽神社がひっそりと鎮座し、コンクリートで固めまれた大きなケルンがある。展望は素晴らしい!鈴鹿中西部のパノラマが広がる。雨乞岳や鎌ヶ岳、伊勢湾などもはっきり見えたが、写真を撮ろうと思ったら・・恥ずかしいのか隠れ始めた。気温はー10度、体脂肪の多い私でも長く居ると応える。先に登った男性と少し話を始めたが、急に雪が降ってきた。竜王山に向うつもりでいたが、雪の中を歩いても仕方がないので引き返す。
写真を撮るタイミングが遅れてしまった。左が雨乞岳や鎌ヶ岳、真ん中には伊勢湾が見えていた。。
吹雪の中を地元の方と一緒に5合目の小屋に飛び込む。小屋の中でー5度だ。しばらくすると、これまた地元の女性の方が小屋に逃げ込んできた。この方達は、お互いよくこの近辺の山で会うらしい。いろいろ山談をして情報を交換する。私は朝が早かったのでここで昼食にしたが・・お二人の目線が気になってしまった。ただの鍋焼きうどんだが。。1時間ぐらい話し込む。女性の方も霧氷を見に来たらしいが、結局雪が止まないので諦めて一緒に下山する事になった。地元なら何時でも来れるよねぇ。
雪の中を黙々と下りる。この方は内股だがかなり早い。何度か話しかけてきたのだが、私は耳当てをしていたのでよく聞こえなかった。申し訳なかった。。

下も雪が降っており、車の上には5cm程積もっていた。ここから神のイタズラがあった。着替えて雪を落とし、車を動かそうとしたがスリップして動かない。止めた場所が緩やかな上りになっていて朝の氷が溶けていなかった。後はフェンスで下がれない。他の方達は先に帰ってしまっている。駐車場で遭難したなんて恥ずかしくて誰にも言えない。正直に焦った! 冷静になってあれこれと試す。悪戦苦闘の末、どうにか脱出する事ができた。ヤレヤレ。。(^_^;) 今の時期は、出る事も考えて止めないといけないと肝に命じる。4駆なら問題ないけど。。 
天気は生憎でしたが、素晴らしい霧氷が見る事ができて大満足でした。次回はぜひ晴れた日に行ってみたいと思います。
<休憩を含む行程時間>
御幸駐車場(7時30分) → ヒミズ谷出合小屋(7時45分) → あざみ小舎(8時25分) → 5合目小屋(8時50分)
→ 行者コバ(9時10分) → 山頂(10時) → 5合目小屋(10時30分〜11時40分) → 御幸駐車場(12時30分)

<所在地>
鈴鹿山地  MAP