蕎麦粒山(1297M) 平成25年6月5日(水) 晴  みれさん
蕎麦粒山は東の屏風山、西の蕎麦粒山と言われるぐらいの奥美濃の鋭鋒。遠くから見る山容は、格好が良く目立つ山だ。一度は登ってみたい山ではあるが、長い林道歩き、木の根を掴むような急登、藪漕ぎ等などがあるので、イマイチ行く気分にはなれなかった。ところが去年、西尾根を登る新しいコースができた事を知り、俄然行く気になったのである。みれ殿も隣の五蛇池山には登った事があるが、この山はまだ未踏だ。これからの時期はヒルが怖いと言うが、天気も続いているし、すぐ尾根を登るので大丈夫だと納得させる。行く気になった時にすぐ実行しないと、なかなか次は来ないものである。これは山に限る事ではないと思うが。。

国道から坂内スキー場へと入って行くと、施設と林道との分岐付近に通行止のゲートが置いてある。このゲートは工事時間中は開けてあるが、それ以外は閉めているようだ。ゲートを退かし林道をさらに進んで行くと、西俣出合付近にもゲートがある。このゲートの手前の左に空き地があるので、ここに車を停める。

空を見ると、青空が広がり好天の様子。気温は高くなるらしいが、湿度は低いらしい。準備をしていると、ガーン!カメラがない事に気付く。カメラを忘れるなんて初めてである。みれ殿のカメラを借りる事で助かったけれど、そろそろ耄碌してきたのか?みれ殿はヒル避けを忘れたらしい。もう一つの大敵のために、虫避けスプレーをたっぷりとかけている。
クサ〜!

ゲートを入って行くとすぐ左へ行く道があり、すぐに広い河原に下りる。この付近もまだ完全に工事が終わっていないようなので、何れ雰囲気は変わるかもしれない。



このコースで少し迷うのは取り付きの部分だろう。飛び石を渡り、前方から流れ込んでくる川の右側を沿って少し行けば、前方に道が見えるのが分かるだろう。今の季節はけっこう草が生い茂っている。ちなみに渡渉は、雨後など水量が増えると厄介かもしれない。みれ殿はトレランシューズなので、どっちにしても脱いで渡るしかない。



最初は緩やかでいい道だと思ったのが、すぐに急登が始まる。おまけに暑くて汗が噴出すのでたまらない。コアジサイやウツギの花が咲き出しているのだが、ゆっくり見る余裕はない。



たまには緩やかな道になってもいいと期待するのだが、その気配は全くない。後から地形図とGPS軌跡を見てみると、標高差500Mぐらいを一気に登っている。こんなに長い急登もなかなかない。

木々の間から蕎麦粒の山頂が見えている。



やがて周りは美しいブナ林に変り、道も幾分緩やかになって少し楽になる。これだけ上れば少しは風があるかと思ったが、残念ながら期待は裏切られる。私の持ち味?のあの強風はどうしたのだろうか?



みれ殿も今日は珍しく水分を多く取っている。

奇木を見つけると、やっぱり自然?に上ってしまうようだ。で、下りるのは・・ 
やっぱりなぁ。。



P1000〜P1075の間は小さなアップダウンしかないが、けっこう長く感じる。踏み跡はしっかりしているものの、ササを掻き分けながら進む箇所もある。所々にある赤テープに注意が必要だ。



いよいよP1075。山頂がかなり近くに見えてくる。

ここから大きく下って上り返す。



最初はブナの大木などがあっていい雰囲気だと思ったが、すぐにシャクナゲの群生地になる。道は急になるが、シャクナゲを避けるために稜線から下りたり上ったりを繰り返すために疲れる。私は一度うっかり道を外してしまい、シャクナゲの中の急斜面を無理矢理登ってフラフラ。「ギャッハッハ、どこを登ってんねん!」と言うが、「貴方が真っ直ぐ!って言ったやないか!私は初心で素直で純粋なんやからさぁ〜」 ハァ〜真剣に疲れた。。



ようやく山頂に到着する。暑さに体がまだ慣れていないのか、久しぶりの強い疲労感でぐったり。ハエのような虫が鬱陶しいぐらい飛び回っているが、刺さないようなので安心する。



山頂は背丈ぐらいの草木が生えている部分もあるが、少し移動すればほぼ360度見渡す事ができる。近くに小津三山。能郷白山や冠山などの越美境の山々。南には金糞岳、貝月山など・・馴染みのある山々がよく見える。みれ殿はスマホを使って山座同定を試みるが、無料のアプリでは細かくは無理らしい。ぜひ有料をお願いしたいものだ。

陽射しは当たるがそんなに暑くはないので、ここで景色を見ながら昼食。だんだんと満足感が湧き上がってくる。



人の気配はなく、どうやら今日は私達の貸切のようだ。下山を始めるが、またあの長い急坂を下ると思うと気が重い。途中でみれ殿が滑って足を少し挫くが、大した事がなくてホッとする。こんなとこだと、熊のエサにでもなってもらうしかないもんなぁ。

最後の急坂はまた暑くて暑くて、ヨレヨレ状態でようやく沢に出る。「靴を脱いで素足で渡ったら気持ちいいよ!」と、みれ殿が言うが、正直なところ、全部脱いでスッポンポンになって飛び込みたい心境だったのだ。



疲れた山だったが、長年気になっていた山にようやく行く事ができ大満足!この付近の山でいつも思うのは、植林がほとんどない事。すぐ自然に飛び込んで行けるので、新緑や紅葉の時期は素晴らしいと思う。蕎麦粒山は思ったより手強かったが、このぐらいの方が奥美濃の山に相応しくていいのかもしれない。ちょっぴり思い出に残りそうな山だった。

  
上り 3時間50分  下り 2時間20分 (休憩を含む)  岐阜県揖斐郡揖斐川町坂内   MAP   GPS軌跡





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