杣 山(492M) 4月8日(火) 曇  つかさん チーさん
なかなか休みの合わないつかさんと、青春キップの期間しか北陸に来る気にならないチーさんとの花見山行。ちょうど三年前に、咲き乱れるショウジョウバカマやイワウチワに感動した杣山に決める。近くになって、つかさんが腰を痛めたらしいが、軽身なら行けそうというので安心する。私達の山行で何が一番心配かというと・・ずばり天気の他に何もない。雨男とガス男の最強コンビ。昔なら雨乞いなどしなくても、私達を呼んでくれたらすぐ解決。私達はスーパースターになって裕福に暮らせただろう。生まれた時代を少し間違えてしまった。冗談はさておいて、予報のわりにはやはりすっきりしない天気だ。(^^ゞ
敦賀でチーさんを乗せて待ち合わせ場所の第二駐車場に着くと、つかさんはすでに到着していて周囲を散策しているようだった。会った瞬間、「髪をどこで忘れたの?」「出家!?」なんて頭の中は混乱したが、たんに短髪にしただけのようで安心する。

コースは姫穴を通って犬返し駒返しを下る周回コース。杣山には南北朝時代、新田義貞に味方した瓜生保の居城があり、遺跡や悲話などが残されている。当時は屋敷があったという広々とした野原?を抜けて行くが、前夜の雨に濡れたエンゴサクが所狭しに咲き乱れている。これだけあると見事なものだ。植林地に入ればスミレやミヤマカタバミ・・早速撮影モードの歩きになる。今日は花目的なので時間は気にしない。
本格的な道になってくると、至る所に咲くショウジョウバカマのお出迎え。上るつれて数が増えてくる。つかさんも私もまだ見た事がない岩屋不動尊の話になり、踏み跡らしきものを追って行くが、滑りやすいうえに木などがジャマして断念する。気が付くと右手人差し指から血が流れていて、目の前のショウジョウバカマが笑っているように思える。

道に戻ってつかさんやチーさんを追う。ここからは稜線下までは、岩に刻まれるように付けられた道で、捉え方によってはちと危険な道とも言えるかもしれない。
この岩肌に咲くショウジョバカマの群落がまた見事!アブラチャンやダンコウバイの黄色い花が目立ってくる。控え目な?タムシバもちらちらと。。(^^ゞ
大岩にぽっかりと開いた姫穴に着く。かつて新田義貞が敵軍に攻め込まれた際、内室の匂当内侍が身を隠したといわれる所。チーさんが早速般若心経を唱え始めたようだが・・意味不明(笑) 姫穴にも入り、気分はすっかり姫様気分で、こちらは思わず姫(悲鳴)を上げたくなる。(^^ゞ

周囲はこうした険しい岩壁が立ちはだかっている。もしこの山が都会の近くにあれば、きっとクライマーに人気のある山になるだろうと・・浅はかな私達の同一意見。(^^ゞ
下界の景色がだんだんと見えてくる。が、日野山は残念ながら上部はガスに隠れている。
稜線に近付くにつれて、斜面にはいよいよイワウチワがお目見えする。二日程前に行ったりんちゃんの情報で咲いているのが分かっていたので、これに関しては最初から余裕の気分でいた。いつも感謝しており、北に足を向けて寝ておりません。(^^ゞ 白花に気分は一瞬高まるが、天気が悪いせいもあるのか・・完全に花弁が開いていないのが多い。しつこく撮ってはいるが、下山のコースに期待する。

稜線直下の殿池に着く。城があった頃は、この水が飲料水に使われたらしい。これもいつものように完璧に賞味期限が切れている水だ。
(^^ゞ\(`o'")
稜線に上ると西御殿跡。木々の間から景色は見えるがガスがまだ低い。だんだんよくなる予報だが、どうやら遅れそうな気配だ。この周辺はつかさんにお任せだが少し残念である。今回も、やはり雨が落ちなければいいという最低ラインで我慢しなければならないようだ。f(^-^;
少し芽吹き始めた木々の中、稜線を辿って袿掛岩に着く。この大岩には瓜生保の戦死の知らせを聞いた夫人や、女房たちが飛び降りたという悲しい伝説がある。が、それほど大した事はない。つかさんがチーさんに周囲を説明したい気持ちは分かるのだが、残念ながら雲がそれを遮ってしまっている。でも、例え説明できたとしても、どうせこのお方はすぐ忘れてしまうから。。(^^ゞ\(`o'")
本丸跡の山頂に着く。広く開かれており、石碑が並んでいる。ここで昼食タイム。チーさんがつかさんのためにいろいろ御馳走を用意してきてくれた。パッケージを見て一瞬気を失いかけそうなのもあった気がするが、その土地の生活に一瞬触れるような感覚が嬉しい。(^^ゞ まったりとした時間を過す。
下山は犬返し駒返しコースへ入る。二つの梯子が掛けられた少し険しい岩を下る。展望がいい尾根であるが、積雪があるとここはかなり怖いとつかさんが言う。

やがて、左右両斜面にイワウチワの群落がお目見えする。見事なものだが、後から見る形になってしまうのが残念だ。
さらに少し下ると、一番楽しみにしていた岩壁に着く。ここに張り付くように咲く様が美しい。色も他より少し濃いように思う。上の方にけっこういい個体があり、ついつい攀じ登ってしまう。時間を掛けて思う存分写真を撮るが、後から見たデキはやはりその労力に反比例していた。(^_^;)
後はひたすら面白くない階段の道を下るだけ。杣山荘の裏の遊歩道を駐車場へ戻るが、この道中にキクザキイチゲが咲いている。今回はかなりの数があるが、天気のせいで花は開いておらずうな垂れてしまっている。駐車場間近の屋敷跡で、どうにか開いた個体を見つけた。
今日は、標準コースタイムの倍以上掛けての花見。期待を裏切る事なく大満足となった。腰が悪いのに付き合ってくれたつかさん、遥々遠方から来てくれたチーさんに感謝。
花の写真(ここではイワウチワとしていますが、ほとんどがよく似たトクワカソウと思われます。)
 <休憩を含む行程時間>
 第二登山口駐車場(9時55分) → 姫穴(11時00分) → 殿池(11時33分) → 袿掛岩(11時52分)
 → 山頂(12時07分〜13時17分) → 岩壁(13時47分) → 杣山荘裏(14時17分) → 第二駐車場(14時50分)
 
 <所在地>
 福井県南条郡南越前町  MAP  GPS軌跡






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