三ノ峰(2128M)〜別山平  7月31日(木) 晴のち曇  チーさん
最初チーさんは、憧れの三ノ峰に知人と行く予定だったのだが、その知人が体調不良の為に今期絶望的になってしまった。そうなれば、やはり何とかしてやらなければならないだろう。しかし関西から電車で来るとなると、いろいろと問題が出てくる。当然前夜泊になるし、帰りの時間も気になる。これから先また何時行けるか分からないとなると、できれば別山平ぐらいまで足を延ばしておいた方がいいとも思うし、或は三ノ峰だけにして、花を思う存分に楽しんだ方がいいのか?登っている最中も、こればかりを悩んでいた。しかし、結局・・なるようにしかならない事に気が付いた。(^^ゞ
上小池は満天の星空、なるべく早立ちしようと3時半頃に起きる。まだ真っ暗闇である。しかし、私の山友というのは皆本当によく寝る。「繊細」などという言葉は、どこを探しても見当たらない(笑) 駐車場には、昨夜から4台の車が停まっている。おそらく小屋泊だろう。やがて1台が入って来たが、渓流釣りの人達だ。ゆっくりと朝食、準備をしていると、だんだん明るくなってきた。5時少し前、道が見えるようになってから出発。真夏といえど、ここまで来るとさすがに涼しい。この山は水場がないので、汗かきで水好き?な私は夏場は辛い。一応4L用意したが、重いのも辛いので3.5Lにした。(^^ゞ チーさんは1Lもあれば十分らしい。確かに体液は少なそうである。(^^ゞ 駐車場から下って林道を15分程歩くと登山口。
階段の急登から始まるが、ソバナの花に癒され20分程で山腰屋敷跡に着く。夏草が生い茂り、壊れたベンチ、堕ち掛けた看板が切なく感じる。ウバユリが咲いているが、チーさんに面と向って言えないので独り言のように呟いた。(^^ゞ 目覚めたばかりのさわやかな樹林の中を抜け、稜線へと急登を上って行く。ミヤマオダマキについ足が止まったが、なるべく止まらないように誰かさんを引っ張って行く。まあ、あまり効果はないのだが。。(苦笑)
6時20分、まあまあのペースで六本檜に着く。さすがに汗が流れる。ちょうど太陽が打波の頭の後ろから上り始めたところで、逆光で黒々とした精悍な三ノ峰がスッキリと見える。期待できそうな展望と・・この時は安心した(苦笑) 少し休憩し、お気に入りのサプリメントをチーさんにも無理矢理飲ませる。ほんとか嘘か知らないが、脹脛の痛みが消えて足が上るようになったとか?まあ、余分な足上げは必要ないが。。(笑)
緩やかなアップダウンのある道を、剣ヶ岩へと足を進める。檜やブナなどの樹林帯を抜けると、ぐっと展望が良くなってくる。ピンクのシモツケソウや、タカネナデシコの花などがちらほら目立つようになってくる。チーさんはキョロキョロと、だんだん動きが・・(苦笑)
剣ヶ岩の少し上で休憩し、荒島岳や経ヶ岳、赤兔山や大長山などの展望を楽しむ。別山の横から白山が少しだけ顔を覗かせている。だんだんと薄雲が広がってくるのが気になるが、おかげで陽射しが和らいであまり暑さは感じない。続く急坂の道沿いは増える花々に彩られ、なるべく撮るのを控えようと思っていた私も、ついついカメラを向けてしまう。(^^ゞ シモツケソウ、カライトソウ、クガイソウ、シナノオトギリ、タテヤマウツボグサ、ミネウスユキソウ、ヤマハハコ、ハクサンシャジン、マルバタケブキ、アザミなど・・
赤兔山、大長山、経ヶ岳など
荒島岳(正面の奥)
奥に白山が僅かに見える
広がる展望や、より増える花々を眺め撮りながら、さらに二つの急坂をゆっくりと登る。当然ながら、チーさんのペースがまた一段と低速になる(苦笑) 山座同定は、この近辺を全然知らない人なので安心だ。。(^^ゞ 一組の年配の夫婦らしき人が下りて来て、初めて人と擦れ違う。今日は想像していたより静かな山だ。羽にオレンジの斑点がある黒い蝶が乱舞♪夜の蝶は好きだが後で調べてみると、ベニヒカゲという名で長野県では天然記念物に指定されているらしい。骨好きシ○好きのようなので、確かに珍しい蝶かもしれない。(^^ゞ\(`o'")
特に打波の頭の下の斜面は花が綺麗である。花園と言っても過言ではない。関西から高い電車賃を払って来た甲斐もあったというもの!(笑) 左にトラバースして、誰もいない三ノ峰非難小屋へ!周辺はマツムシソウの群落と、まるで自分達だけの世界のように乱舞するベニヒカゲ!
そのまま山頂へ直行する。チーさんは、まだ足が上るので元気のようだ(笑) ガスは増えているが、直射日光が当らないのは涼しくて本当にありがたい。山頂着9時20分。あれだけ花を撮ったのに、まあまあの時間だ。目の前の別山が、「来いよ!!」と言ってるように思える(笑) チーさんに確認すると、どうやら初めから覚悟を決めていたみたいだ(苦笑) サプリメントの効果もあったか?しかし帰りの時間と天気が気になるので、せめて別山平まで行こうと出発する。
山頂から大きく二段になった急坂を鞍部へと下る。下方には崩壊している箇所も。。帰りにこの坂をまた登り返さなければいけないので、つい三ノ峰で足が止まってしまう人も多いようだ。当然ながら、私も下りながら気が重くなる。(^^ゞ 花が少し変わり、センジュガンピやカライトソウ、ニッコウキスゲなどが増えてくる。別山がガスで隠れないようにと願う。
小さなアップダウンを繰り返し、別山平への最後の上りに差し掛かる。この上りは見掛け程大した事はない。振り返ると、三ノ峰がガスで隠れようとしている。手前でチーさんを待ち、一緒に別山平へと入る。

ニッコウキスゲが咲き乱れる草原に・・目の前には別山の勇姿!まるで別世界の光景に、「おぉぉー!凄ーい!」と、ちょっと低音だがチーさんの歓声が上る。さらに空が青かったら何も言う事はないが、それは贅沢というものだろう。
奥の御手洗池と足を進める。別山の方から何人か下りて来てるようだ。池には「逆さ別山」が映っている。池の淵にはイワイチョウの花。チーさんは大感激の様子。あれはちょうど二年前の一日違いの日、オフ会で皆で南竜からそこの別山まで一緒に歩いた事が思い出される。この先チーさんの状況を考えると、なかなかここまで来る機会がないと思う。だから、しっかりと視力の悪い目に焼き付けてほしいと思った。・・もう少し○いとまた話は別だが。。(^^ゞ\(`o'")

草の上に座り、池や別山を眺めながら昼食のオニギリを食べる。やがてガスに包まれ、風が強くなりだんだん寒くなってくる。
三ノ峰へと戻るが、ガスは途中でまた晴れてくれた。最近、ガス男にしては調子がいいようだ(苦笑)
下りはまた膝を痛めないかと気になり、ガンガンというわけにはいかなくなってしまった。下るにしたがって暑くなり、3.5Lの水でちょうどピッタリ!(^^ゞ 時々休憩をしながら、上小池の駐車場に15時22分に戻る。福井から高速に乗り、敦賀の駅に着いたのがちょうど予定の10分前!(この電車の次だと1時間後になってしまい、帰宅するのがかなり遅くなる) 我ながら素晴らしい!(^^ゞ

今回の山行は天気の事は別にして、花の状況を含めてほぼ思い通りだったと思う。チーさんは、450枚もの写真を撮ったらしい(ここまできたら病気?笑) 終えた直後の感想は、正直なところ・・何事もなく無事に関西に帰ってもらう事ができ、ホッとしたというのが本音。(^^ゞ 今回は「また次回に期待!」なんて言葉を使わずに済む、とても良い山だったと思う。感謝♪
シモツケソウ タカネナデシコ タカネナデシコとタカネマツムシソウ、リシリオウギ
エゾフウロ センジュガンピ ミヤマダイモンジソウ
シナノオトギリ クガイソウ ヤマハハコ
ハクサンオミナエシ カライトソウ ソバナ
ハクサンシャジン キンバイソウ ミネウスユキソウ ハクサンタイゲキ
イワイチョウ キバナミヤマオダマキ マルバダケブキ シオガマギク
エゾシオガマ グンナイフウロ タテヤマウツボグサ ミヤマリンドウ
オオバギボウシ タマガワホトトギス タカネナデシコ ?アザミ
 <休憩を含む行程時間>
 上小池駐車場(4時51分) → 登山口(5時08分) → 山腰屋敷跡(5時24分) → 六本檜(6時21分)
 剣ヶ岩(7時20分) → 三ノ峰非難小屋(9時08分) → 山頂(9時20分) → 別山平(10時31分〜11時25分)
 → 山頂(12時15分) → 剣ヶ岩(13時15分) → 六本檜(14時03分) → 登山口(15時02分) → 駐車場(15時22分)
 
 <所在地>
 福井県大野市上打波  MAP  GPS軌跡






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