霊仙山(1084M) 11月25日(木) 曇時々晴 単独
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春のフクジュソウに秋のリュウノウギク!・・少し前から今年行きたかった霊仙山の事が気になっていた。昨夜までどこへ行くか悩んでいたが、天気がいいと知って思い切って下見のつもりで行く事にした。コースは、今畑〜笹峠〜西南尾根〜霊仙山〜経塚山〜汗フキ峠〜今畑である。3時頃までに帰りたいので、自宅を5時過ぎに出発する。木ノ本からささなみ街道に入って彦根に向う。夜明け前の空には星が輝いていて期待が持てそう。彦根には1時間足らずで着いてしまう。R307に入って「河内風穴」の道標通りに左折し、多賀醒ヶ井線に入る。ここからは初めての道なので、分技のたびに地図で確認しながら・・ナビが無いので・・古典的な手法である(笑) こうやると体が覚える!・・はっきり言って無い者のヒガミです。(--;) 芹川沿いを奥に進むにしたがって素晴らしい紅葉が出迎えてくれる。赤、黄・・朝の光に照らされて目が痛いくらいである。これを見れただけでも満足しそうである(笑) 順調良く行けると思ったが?・・「河内風穴」を過ぎた最後のT字路で、右に行かなければならないのを左に行ってしまう。道標があったのはあったのだがよく意味が分からなかった。すぐに気が付いたので引き返す。人生と同じでなかなか思うようにいかないものである。(^^ゞ しばらく行くと右側に今畑登山口の道標が見えてきてホッとする。とりあえず下り口を確認するために、数百メートル先の落合の集落まで行ってみる。落合の集落は廃村であるが、家などそれほど古くない建物もあり、人が住んでいてもおかしくない雰囲気である。寺の近くに案内版があり確認する。どうせ通るのでここに車を置いておけばいいのだが、登山口の前が少し広くなっていたのでまた戻る。f(^-^;  
空はすっかり明るくなり青空が広がっている。気温は少し寒いぐらいだ。準備をして7時10分に出発する。

整備された道を少し登ると、寺などが残る今畑の集落跡に着く。人が住んでた頃は、下の道から家までいちいち登っていたのだろうか?・・凄い!

鈴鹿自体が2度目なので登り始める前には多少の不安もあったが、不思議なもので登り始めるとすっかり忘れてしまい、好奇心が先に立つようになってくる。いつもそうである。
廃村を過ぎると尾根に取り付き、コナラなどの雑木林や杉林を通り抜けて行く。変化があって面白い。

クロモジ?やコシアブラの黄葉などが楽しませてくれる。

元々の古道だろうか?よく踏み込まれた道である。

やがて木々の間から景色が見えてくるが、霞が強いようで遠望がきかない。・・うーん。。
やがて尾根筋から外れて左に巻くような緩やかな道になると、左前方に一気に聳え立つ西南尾根が見えてくる。標高差2百数十メートル!堂々たる風格である。緩やかな道を歩いて行くと笹が多くなってくる。笹が多いから笹峠!・・単純で分かりやすい名前だな(笑) ここからちょっとしたハプニング!笹が朝露に濡れてベタベタなのである。カッパをいちいち着るのも面倒なので・・そのまま突進する。道はしっかりしているが、胸元近くまで背丈のある笹が容赦なく服を濡らしてくれる。(--;) 「水も滴るいい男!」なんて自分で言っても仕方がないし。。いや、1人だけだから言えるのかもしれない。(^_^;) 左に折れる分技に注意しながら進む。前誰かのHPを読んだ時に、この分技を見落として大失敗したらしい。小さいが新しい?道標があり安心する。 
いよいよこのルートの醍醐味?である急登の始まりである。低い笹から石灰岩のゴロゴロした道に変わってくる。確かに急ではあるが、足掛りがいいのでそれほど辛いとは思わない。上部の方では石ばかりになり道が不明瞭になるが、適当に登ればいいという感じである(笑) 振り返ると登ってきた道が彼方に見える。展望はいいはずなのに相変わらず強い霞で近くしか見えない。・・この分じゃ、山頂からも期待できそうもないな。。(--;)
笹峠から約1時間、ようやく近江展望台に着く。

遥か向こうに最高点〜山頂へと続く稜線が!南は霞と逆光だが藤原岳や御池岳がどうにか見える。

ここで初めてザックを下ろし小休憩をする。
これから標高差が少ないので大した事はない!と思っていたが、実はここからが一番難儀だった。すっぽり包む灌木の中に道はあるのだが、これが歩きにくいのなんのって!下は石灰岩がゴロゴロし、枝がザックや服に引っ掛かる。テープを頼りに潜ったり・・跨いだり・・ウンザリしてくる。石も苔が生えて滑りやすい。ここでヘタにこけるとケガをしそうなので慎重に歩く。
ここで見た事のない小さな花を見つける(あとでヒメフウロだと分かる)こんな時期なのに苔生した石灰岩の上に可憐に咲いている。花は諦めていたので嬉しくなる。
やっと灌木帯を抜け、右斜面の開けたとこ歩いているとまた花を見つける。・・・おぉぉー!リュウノウギクだ!私が来るのを待っていてくれたのか!? たった2株だったが、見れると思っていなかったので感激する。
こちらの花は赤味を帯びている。

鈴鹿の山はもしかすると私に合うのかも!?(単純過ぎ!(^^ゞ)
近江展望台から1時間で最高峰に到着。思ったより時間がかかってしまった。北には山頂が見え、西側には汗フキ峠への分技がある経塚山が目の前に見える。霞がなければ360度の展望のはずだが・・(--;) 一応写真は撮るものの・・やっぱりダメだ。風がだんだん強くなってきたので山頂へ向う。
山頂に近付くにつれてますます風が強くなってくる。天気予報では昼前から風が強くなる!と言っていたが、どうやら大当たりのようである。とても昼食を食べれる状態ではないので、写真だけ撮って経塚山の向こうに見える避難小屋まで行く事にする。時間がまだ少し早いせいか誰も登ってくる様子がない。
藤原岳と御池岳が微かに見える程度。

今回は、山頂を含めいろいろな場所から展望の写真を撮ったが・・ほとんどボツである。。(--;)
避難小屋に着く頃には、晴れているが強風状態で飛ばされそう。(絶対飛ばないけど。。(^^ゞ)

小屋は新しいせいもあって大変キレイである。早速コンロを出して鍋焼きうどんを作る。風で冷え切った体にこの温もりは最高だった。

久しぶりに山で若い女性の声を聞いたよう。。(笑) 窓から覗くと、若いカップルがイチャイチャしながら登って来る。覗かれてるとは知らずに・・大胆な事を!?・・これ以上は私でも書けない。。(大爆)
経塚山の分技に戻り、左上に山頂を見ながら緩やかな道を下って行く。稜線には山頂へ向う4人のパーティの姿があった。ラジオをガンガン鳴らしながら登って来る年配の女性とすれ違う。20分程下ると「お虎ヶ池」に着く。池は琵琶湖の形をしていて、昔は雨乞いの儀式が行われたそうだ。
お虎ヶ池からしばらく急坂になるが、ロープ等もあり整備されている道だ。

同じ年ぐらいの単独の女性が登って来る。道を譲ってくれたので急いで下りたら?・・落葉で足を滑らせてやっぱり転んだ。 なかなかうまく終わらせてくれない。「大丈夫ですか?」とヘンな物でも見るようなその女性の眼差しを・・私は今でも思い出す。。f(^-^;

急坂が終わると雑木林の快適な道になる。
見晴らし台を過ぎたとこで私の短い足が止ってしまった。f(^-^;  素晴らしい紅葉なのである。ちょうど今が見頃で、赤や黄のカエデやモミジが・・まるで宝石を鏤めたように。。最後の最後にとっておきのプレゼントをもらった気分で、感激してしまった。
汗フキ峠から落合に向う。ここから急に道は細くなり沢まで下りると、緩やかなシダの生い茂る道が続き、飽きてくる頃に落合の集落に着いた。


今日は本当に霊仙山に来て良かったと思う。展望こそダメだったが、思わぬ花や紅葉に恵まれ大満足だった。変化にとんだ道もなかなか面白かった。春のフクジュソウ、秋のリュウノウギク・・これから毎年行きたい山の1つになるだろう。
<休憩を含む行程時間>
今畑登山口(7時10分) → 笹峠(8時) → 近江展望台(9時) → 最高峰(10時10分) → 山頂(10時20分)
→ 避難小屋(10時50分〜11時30分) → お虎ヶ池(11時50分) → 汗フキ峠(12時45分)
→ 落合〜今畑登山口(1時20分)

<所在地>
鈴鹿山地  MAP