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六甲山(931M) 5月24日(火) 晴時々曇  チーさん
3月にチーさんと三十三間山を御一緒した時に、チーさんの地元の六甲の話が出て、案内してくれるという事から今回の六甲への遠征が現実となった。よく調べてみると、敦賀からうまく車と電車を乗り継ぐと7時ジャストに芦屋に着く事ができる。2時間半少々である。それから六甲の地図を見てみると・・なんじゃこりゃ! 登山道が網の目のようにあってチンプンカンプン! それに山を越え谷を越えてと距離が長い。たかが900Mの低山となめていたが、かなり奥の深い山にたじろぐ。もちろんバスを使えば早いが、やっぱり下からしっかり歩いてみたい。何時死ぬか分からないので後悔はしたくない(笑) 一応コースは代表的?なコースとして、ロックガーデン、東おたふく山、七曲り坂、最高峰を入れてもらえるようにお願いした。・・後は焼くなり煮るなり好きにしてほしい(笑) その為にチーさんはわざわざコースの下見までしてくれていたのだった。感謝である。最終的に決定したコースは、ロックガーデン(中央尾根)〜雨ヶ峠〜東おたふく山〜土樋割峠〜黒岩谷〜最高峰〜七曲り坂〜打越峠〜JR摂津本山駅である。・・分岐が多すぎて今もう一度同じ道を歩く自信はない。ゴメン(^^ゞ
電車山行は初めてである。少し早めに3時半過ぎに家を出て湖西の蓬莱駅に向う。なぜ蓬莱駅を選んだかというと、帰りの堅田付近が車が混むという事と、蓬莱駅の前に車を無料で停められるスペースがあるからである。(^^ゞ 5時32分の電車だがかなり早く5時前には着いてしまった。肌寒い無人駅に立つ哀愁が漂う背中を持った男が1人。ホームから見える琵琶湖の夜明けが心に・・・ ふと、先日の○○の大事故を思い出し、「もしかしたらもうここへは二度と帰って来れないかもしれない」と・・そんな複雑な想いが心を過ぎる(笑)
定刻通りに電車が来る。・・オーバーランはしなかった。1車両に10人ぐらいしか乗っていない。30分程で山科、ここで東海道線の快速に乗り換える。京都、大阪と・・多くの人が降り乗ってくる。ザックを持った山の格好の私は、かなり変な目で見られると思ったがたんなる思い込みに過ぎなかった。つまり、都会人は無関心なのである。他人の事をいちいち干渉しないのである。これが田舎と都会の大きな違いなのか? そんな事を考えてるうちに芦屋駅に着いてしまった。
チーさんが改札口で待っていてくれた。「アッシヤ(私は)アシヤに来たでー!」と軽く言ってみたが・・無視される。大御所を前に下品なギャグを言うのは今日はやめようと心に誓う。挨拶を交し、駅を出て登山口のロックガーデンまで車道を歩く。天気は予報通り良さそうだ。朝のひんやりした空気が心地良い。

話ながら歩いていると・・道は行き止まり! まあ、これはチーさんなりに私への歓迎の意を表してしてくれたのだろう。。
日本のロッククライミングの発祥の地と言われる芦屋ロックガーデン。少しトイレ休憩をし、ここから登山道へ入っていく。いくつもの花崗岩の岩を乗り越えていく。岩場が好きなチーさんは身軽である。私は都会のガスで肺が苦しい。。
風吹岩に到着し少休憩。ここからの展望は素晴らしい。いつも山や海、田舎を見ている私にはこの都会のビル群は新鮮に見える。岩から景色を堪能していうると・・なんと!イノシシの登場である。いるとは聞いていたが、まさか私の前に来てくれるとは夢にも思っていなかった。恐るべき六甲である。チーさんの話では、餌を手でやると手まで餌に見られてかぶられるらしい。チーさんは、かぶられたのでそんなに細いのか?
岩場を過ぎて穏やかな道を行き、ゴルフ場のフェンスを2つを越えて行くとまもなく雨ヶ峠。チーさんは常に先を歩き、地図を見て確認してくれている。屋根付きのベンチがあって休憩に最適だ。道中、ニセアカシアやコツクバネウツギ、モチツツジなどが咲いている。などと偉そうに書いているが、実は木の名はチーさんに教えてもらった。特にこのモチツツジというのは北陸では珍しい。ピンクの鮮やかなツツジだ。チーさんが「触ってごらん」と言うので、恐る恐る触ってみると・・確かに餅のようにネバネバする感じである。この名を付けた人はかなり素直な方なのだろう。この分岐から東おたふく山へ向う。
ニセアカシア
コツクバネウツギ
モチツツジ
東おたふく山は素晴らしい草原歩きだ。チーさんがいろいろと説明をしてくれる。前方に最高峰、右下に芦屋の高級住宅街が見える。(あそこに芦屋夫人が住んでいるのか!・・ちょっと興味津々) 南には都会の街並と大阪湾が広がっている。チーさんが言うには、今日は涼しくていいらしい。暑い時はとても歩けたものではないと言う。モチツツジが相変わらずキレイに咲いている。
モチツツジ
下って土樋割峠から黒岩谷へと入っていく。この黒岩谷はチーさんのお薦めコースである。堰提を越えるとこでチーさんが「これ!」と指を指す。見ると・・なんとベニドウダンである。今年初めて見るベニドウダンに感激である。チーさんは、これを見せるためにこの道を選んでくれたのだ。さらに進んでいくと多くのベニドウダンが咲いている。慌てて撮る必要もなかったか。。テープを頼りに谷を詰めていくチーさん、だいぶ登ったところでチーさんの足が止まった。頼りのテープが無くなったのである。前方は倒木などが塞いで怪しくなっている。右の斜面、左の斜面にも踏跡があるように見える。「シバさん、待ってて!」と言って左や右の斜面を登って様子を見に行くチーさん、下りてきてはダメだと嘆く。少し戻って右の小さな谷に入っても同じである。チーさんが焦りだしているのが分かる。強い責任感からだろう。また少し戻って左の斜面を登りだすチーさん、今度はかなり登っている。かなり疲れているはずだ。高度計を見るとすでに800mを指している。山頂との高度差は100mぐらいしかない。その時上の方で車の走る音が聞こえた。稜線を走る車道までかなり近い事が分かる。チーさんを呼び、テープが消えた谷をさらに詰める事を提案する。倒木や藪を越えて進んで行くと、前方を行くチーさんの「テープがあったぁー!」との叫び声!良かった。水を得た魚のようにぐんぐんと急斜面を登っていくチーさん。
急斜面を登りきると、広い登山道に出てすぐに車道に出た。実はこの時初めて明かしてくれたのだが、この怪しい道をわざと選んで登ったのには訳があった。チーさんは先日の下見で1本のシロヤシオを見つけたらしい。それを私に見せたいがためだったのだ。このHPの掲示板で、私がよく「見たい!」と書いていたからである。その事を最後まで言わないんだから。。残念ながらシロヤシオは散ったようで見つけられなかったらしい。でも、そんな事はもうどうでもいい。その気持ちがとても嬉しくて、思わずそっと・・抱きしめた(気持ちの上では・笑) ありがとう!
車道を歩いて最高峰へと向かう。多くのハイカーの人達とすれ違う。一軒茶屋から右の道を行くと最高峰。多くの人達が昼食を楽しんでいる。展望は木がジャマであまりよくない。ウマノアシガタがキレイに咲いている。
ベニドウダン
ヤマツツジ
ウマノアシガタ
広い山頂で腰をかけて昼食。今回は、電車の中での臭いが気になったのでヘシコはパスした。代わりにただ今大ヒット中の焼き鯖寿司だ(また鯖かいな・笑) 左上の写真は先程の藪漕ぎで崩れた焼き鯖寿司!(笑) 「私は少食だから・・」と言っていたチーさんだが、けっこう気に入って食べてくれた。・・かなり運動したもんなぁ。。(笑) チーさんからは、おいしいデザートをいただいて時は過ぎ行く。。
昼食を終えていよいよ下山だ。七曲り坂を下っていく。途中にベニドウダンがあったりして・・チーさんは怒る(笑) 本庄橋跡、黒子分岐、打越峠へと行く。下山と言えどもアップダウンが多くて長い道だ。チーさんは、森林管理道を通りたかったそうだが間違えたようだ。でも、本当にこの道はややこしい。道標は一応ちゃんとあるが、地図を持ってないと少し難しいと思う。ようやく車道に出て六甲の山旅は終りである。JR摂津本山駅へと向かう。
タツナミソウ
阪急岡本駅で乗るチーさんなのに、わざわざ摂津本山駅まで見送りに来てくれる。・・でもフェンスによじ上る姿はあまり・・(笑) 4時前の電車に飛び乗って帰路につく。

初めての六甲に来れたのもチーさんのおかげである。本当に楽しい1日を過させていただいた。チーさんの細かな気遣い等・・感謝感激の日だった。今日の山行はいい思い出に残るだろう。本当にありがとうございました。
<休憩を含む行程時間>
芦屋駅(7時05分) → ロックガーデン入口(7時40分) → 風吹岩(8時37分) → 雨ヶ峠(9時35分)
→ 東おたふく山(10時05分) → 土樋割峠(10時15分) → 稜線の車道(11時30分) 
→ 六甲最高峰(11時35分〜12時35分) → 黒子分岐(2時10分) → JR摂津本山駅(3時40分)

<所在地>
六甲山地  MAP
チーさんのレポ