野坂岳(913.5M) 平成22年2月14日 晴  チーさん
「久しぶりに冬の野坂に行っかなぁ!」なんて恐ろしい?言葉をチー殿から聞いたのは・・去年の暮れの事。おそらく2月いっぱいまでJRの割引切符があるからだろうが(女性はこういう点はしっかりしている・笑)人を案内するとなると、いろいろと気掛かりで仕方がない。というのは前日からの話で、早い話が翌日に滋賀南部の山を予定していたのだが、天気が悪そうになって急遽変更したのである。こちらの天気が悪くて変更するのは日常茶判事だが、その反対というのはかなり珍しい。チー殿が野坂に来るのは5度目らしいが、冬は2度目で約4年ぶりになる。そういえば、あの4年前の冬は・・私を象徴するような天気だったよなぁ。。f(^-^;

当てにならない天気予報も、何を間違ったか朝から青空が広がっている。お決まりの電車で来たチー殿を乗せて9時過ぎに登山口に着くと、日曜で滅多にない好天とあってずらりと車が並んでいる。チー殿は私を見ながら・・「信じられん天気やなぁ!」と・・驚いた様子で呟く。
(^ ^;

チー殿も○のせいか、すっかり寒さに弱くなって?今期初めての雪山だと言う。「歩けるやろか?」と言い出すが、口に回すエネルギーを控えれば問題ないはずだ!
(笑) 雪解けが早く、林道上部まで雪はほとんどなくなっている。林道を過ぎると雪は一気に増えてくるが、しっかりした程よい硬さのトレースで非常に歩きやすい。

「こんなんやったやろか?」と、チー殿は周囲を見渡しながら歩いているが、過去に4度登っても覚えていないというのは毎回新鮮味が味わえるという事にもなり、ある意味大変羨ましい事でもある(笑) 私もそんな能力があれば、野坂参りが続いても愚痴は出ないと思われる。(^^ゞ

トチノキ地蔵で関西訛りの悲鳴を抑制するためにも、そろそろアイゼンを装着してもらう。これはどうでもいい事だが、一体スパッツを足に着けているのか?スパッツの中に足を入れているのか?・・かなり難しい問題だが、あまり見掛けない色でつい目が行ってしまう。

トチノキ地蔵の上部からは、素晴らしい青空と敦賀市街が目に入り・・ちと感動!
(笑) 急登が続く冬道に入って行く。(左上の写真にマウス!)

風もなく穏やかで、野坂の常連さん達も久しぶりに会う人などと上機嫌で立ち話をしている。チー殿が関西から遥々来たと知り、物好きとはけっして言わないがかなり驚いていた。

続く急登でどんどん高度を上げ、振り向くと敦賀市街が広がり、その奥に白く雪化粧をした山々が連なっている。それにしても良い天気だ。

ちらほらと霧氷らしきものが現れてくる。青空に映える一ノ岳が近付いてくると、看板が少し見える一ノ岳展望所に着く。連なる山々の遥か彼方に真っ白な白山が浮かんでいて素晴らしい展望だ。(右上の写真にマウス!) 

やがて常連さん達が上からも下からも来て、話が弾んで少々長居をしてしまう。

常連さんには少し時間が遅いと言われたが、二ノ岳や三ノ岳の上部はまだ白く霧氷が付いているようだ。チー殿も今までは何だか間誤付いたような歩きだったが、ようやく雪に慣れてきたようで軽快に・・枝が出る。いや、足だった。。(^^ゞ\(`o'")

稜線に上ると、だんだんと美しい霧氷が現れてくる。どういう理由でかは私の頭では理解不能だが、透明なクリスタル・・氷柱のような感じで、逆光の陽が当たってキラキラと輝いていて最高だ。
(両上の写真にマウス!)

前方に二ノ岳が近付いてくる。雪庇モドキ?の淵を歩くが、ここも雪は程よく締まりとても歩きやすい。

二ノ岳に来ると、普通の霧氷に変わって白一色になる。

三ノ岳のブナ林もこれまた美しく、直登の急坂も全く気にならない。チー殿も撮影に忙しいようで、なかなか付いて来てくれない。放って置くといろいろと問題にもなりかねないので
(笑)度々立ち止まって待たせてもらう。(両上の写真にマウス!)

私がいつも一番綺麗だと思っている三ノ岳と山頂との中間地点。「三○山より綺麗かも!」とチー殿は適当な事を言うが、謙虚な私はそこまで言う度胸と自信はない。
(^^ゞ

霧氷越しの景色がまたいい。「ワシ、野坂でこんな景色が見れるのはこれが最後かもしれん!」と、チー殿がふと・・呟く。ま、いろいろと深く計算すると、確かにその可能性は高いかもしれない。
(^^ゞ\(`o'")(両上の写真にマウス!)

いよいよ最後の登り。振り返ると、広大な景色に目が奪われつい立ち止ってしまう。

広い雪原状の山頂に着く。360度遮るものがない大展望だ。比良、鈴鹿、越美、若丹、野坂山地の山々、琵琶湖に若狭湾、遠く丹後半島。近くには敦賀三山。眼下には敦賀湾や敦賀市街が広がり、目線を少し上げると、遠く連なる山々の上にぽっかりと白山の雄姿がまだ浮かんでいる。風もなく信じられないような穏やかさ。チー殿もあちらこちらと自由自在に歩き回り、素晴らしい大展望を堪能しているようだ。ただ、山座同定だけは黙っていると時々ヤケクソで?自作してしまう傾向があるので、監視の目が若干必要ではある(笑) (上の写真にマウス!)

ちょうど昼なのだが、常連さんは朝早く午前中に下りてしまう人が多いので、以外とこの時間になると空いている事が多い。他の季節と違ってこの冬の時期の天気は宝くじを引くようなものなので、遠方からはなかなか着難いだろう。小屋の中でゆっくりと食事をする事ができた。

チー殿は最初で最後の景色を堪能し
(笑)下山する。


今日は奇跡的な天気に恵まれ、本当に良かったと思う。このような積雪期の霧氷の野坂は素晴らしいのでよく人に勧めるが、まるで宝くじに当たるかのような天気次第なので、現実は満足してもらうにはかなり厳しいものがある。荒れ男の異名を持つ私にすれば、そういう意味では今日は一生に一度の快挙に等しいだろう
(笑) これで最後だと思うが、チー殿は真剣に運が良かったと思う(笑) 感謝♪
他の写真はこちら!
 <休憩を含む行程時間>
 登山口(9時15分) → トチノキ地蔵(9時40分) → 一ノ岳展望所(10時25分) → 二ノ岳(11時05分)
 → 三ノ岳(11時20分) → 山頂・小屋(11時30分〜13時10分) → 登山口(14時30分)
 
 <所在地>
 福井県敦賀市  MAP






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