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野伏ヶ岳(1674M) 4月19日(水) 曇  みれさん
野伏ヶ岳は以前から行きたい山の一つだった。しかし岐阜県側から入らなければならないこの時期のこの山域は、私の所からはかなり遠くに感じ、天気などのいろいろなタイミングがうまく重ならないと行けないと思っていた。今日はみれさんと休みが合ったが、最初あまり予報がよくなかったので近場の花の山でも行く予定でいた。ところが、前日になって予報が変わってかなり良さそうな感じになったのである。「野伏に行くぞ〜!」とみれさん。「お代官様〜 ありがとうございます。お供させてもらいます」みたいな心境の私。(^^ゞ こうして今期も諦めていた野伏にやっと行けるチャンスが巡ってきたのである。みれさんは何回か行ってるらしいが今期は初めてという。今から考えると、以前から野伏を口にしていた私に気を使ってくれたのかな?と。。いや、たぶん思い過ごしだろう。(^^ゞ

4時に敦賀インターで待ち合せだが、久しぶりに興奮して2時過ぎに起きてからは寝れなかった。4時5分にみれさんが来る。毎回この5分遅れるところが私らしい!とこだと・・早朝から寝言をたっぷりと聞かされる(笑) ETCが付いたみれさんの車で福井まで高速を使う。今日は珍しく大判振舞いだ(苦笑) 大野に入る頃に夜が明けてきたが、どんよりと霞んでいて遠望がきかない。前日あたりから黄砂がかなり飛んできているらしい。展望はこの時点ですでに諦めた(苦笑) 白鳥のコンビニで、昼食を調達するために車から降りると外はかなり冷え込んでいる。コンビニのお姉さんに、「都会よりかなり寒いね!」と言って笑われる。私が都会人じゃない事など一目瞭然だったのだろう。みれさんは完璧に他人のフリ!(^^ゞ みれさんの命令に従って石徹白の登山口へと車を走らせる。道中の大日ヶ岳や毘沙門岳の登山口をチェックする事も忘れない。仲居神社の前を通って橋を渡った右手に空地がある。すでに車が1台停まっていたが、どうやら登山者ではないようだ。さらに先も除雪がしてあったが、車を擦りそうなのでやめてここに停める事にした。
車から降りたみれさんが、「寒い!寒い!」を連発する。先週はこれより数倍も寒いとこへ行っていたはずなのに、助手席に長時間いたせいかすっかりオ○サンモードになっているようだ(笑) ぼちぼちと準備して出発する(6時50分) 空は高曇で少し期待する。道脇の雪の上に乗ってみると硬く締まっている。2〜3日前から高温が続き、雪の状態がかなり心配していたがどうやら良さそうである。除雪がしてあったのは、200Mぐらい先の橋を渡った所まで。ここにも2台の車が停まっていたが、これも登山者ではないようだ。雪に覆われた林道を歩く。所々融けて地が出ているが、高度を少し上げると雪一色となる。 
雪が締まっていると安心したが、やっぱり場所によって緩んでいる箇所がある。場所によっては数メートル単位で変るので、硬そうな箇所を選びながら歩くのにちと苦労する。ゴボるといっても30cmぐらいか。。植林の中のジグザグに付けられた緩やかな林道をひたすら歩く。ヘンな跡が付いているのはスノーモービルのようだ。時々ヘンな声がするのはみれさんのアクビだ(笑) ショートカットも雪質を見ながらである。1時間程歩くと今度は倒木のオンパレードである。(^_^;) 今年はここらもかなり雪が多かったのだろう。だんだん景色のない林道歩きに飽きてくる。(^^ゞ 「この上が牧場跡のはず!?」 ちょっとだけ女神の声のような気がした(笑)
やっと開けた場所に出たと思ったら、目の前には素晴らしい景色が待っていてくれた。1時間半かかった和田山牧場跡だ。白く広大な雪原!(実際は黄砂で少し汚れてる・笑) 正面には今から登る美しい山容の野伏ヶ岳、その右は薙刀山〜願教寺山へと続き、さらに銚子ヶ峰〜丸山〜芦倉山など。。霞んではいるが大展望だ。もし快晴だったら!?(^_^;) 地図を広げて山座同定を楽しむ。ここでまた大失敗をしでかしてしまった。後から撮ろうと思ってまた写真に撮るのを忘れたのである。アチャー!(^_^;) 下の写真は、下山時に撮ったガスまみれの風景。あーあ、ほんとに懲りないバカなヤツである。f(^-^;
丸山や銚子ヶ峰方面
願教寺山などの方面
どうせ後からアイゼンが必要だと思ったので、ここで装着していく事にする。前には野伏ヶ岳、右に牧場跡を見ながら左の山裾を歩く。M「素晴らしいね!ここでテン泊してみた〜い!」 私「この広大な雪原のど真ん中でウ○チをしたら爽快やろうね!」 M「今ちょっとキレかかった!」 m(_ _)m みれさんがダイレクト尾根の西側、野伏平と呼ばれる上部で雪崩が起きているのを見つける。今から登るダイレクト尾根は関係ないので大丈夫だが、一つ間違えれば危険な事を実感する。 
牧場跡を過ぎると、いよいよダイレクト尾根への取り付きである。目の前には湿地帯が顔を覗かせている。さあ〜て、この湿地帯の左から緩やかな斜面に取り付くか?右側から急斜面に取り付くか?M「右側から行こ!」 私「やっぱり。。(^_^;)」 水が溜まっている池?の横を通り、ちょっと中を覗き込んでみるが・・身の危険を感じて(誰かに押される?)すぐに離れた。油断は禁物である(苦笑)
ダイレクト尾根に取り付き、急斜面を適当にジクザグに登る。これでアクビも出ないだろう(笑) ザラメ状の雪質は10cmぐらい沈み込むが、それほど登り辛くはない。これは私がみれさんの後を歩くだけだから言える言葉かもしれないが。。(^^ゞ やっと尾根上に出て振り返ると、歩いてきた牧場跡や湿地帯が眼下に広がっていた。ガスが出てきたようで少しイヤな予感がする。 
あとはひたすら尾根を登るだけである。風の音が強くなり、ガスもだんだん濃くなってくる。そのうちまた晴れるだろうと・・甘い期待だけを抱いて登り続ける。1500Mを越えたぐらいで、風が一段と強くなり寒くなってくる。私が飛ばされそうな帽子を絞り、シェルを着込んで手袋をはめていると、みれさんが戻ってきて「どうする!?まだ行く?」と聞いてきたので、迷いそうにないなら行けるとこまで行く事にする。この時点では、まだ晴れるんではないかという超甘い考えがあった。。(^^ゞ
1600Mを越えた辺り、平坦な場所に出た途端にまた一段と強風が吹き荒れる。重心の高いみれさんはよろめき、思わず雪の亀裂の中に座り込んで防風体勢!(笑) 重心が超低い私はまだ大丈夫だ。足の短さが役に立つ時もたまにはある。(^^ゞ 山頂まであと僅かであるが、これ以上行っても無駄だし、危険なのでここで撤退する事にする(10時55分) 風さえなければしばらく待ちたかったのだが残念だ。
下っていると、みれさんが急に座り込む。私「どうしたん?」 M「尻セードがしたいんやけど・・スベらん!」 私「そんなアイゼンみたいな尻じゃスベらんやろ!もっと丸みのある・・尻らしい尻じゃないと!笑」 M「私もう・・絶対キレる寸前!」 m(_ _)mm(_ _)m  尾根から湿地帯への急斜面では、例えアイゼンでもよく滑った(笑) 私のふくよかな尻ならなおバッチリである。(^^ゞ 今度来る時は尻セード用のソリを持ってこよう。 
牧場跡へと歩いている途中で振り返ると、なんとガスが晴れてきているではないか!(^_^;) ちょうど撤退して1時間である。私「あそこで1時間待っていたら良かったかも!?」 M「何なら今から登り直す!?」 私「いやいや、また来年に楽しみを残しておかないと・・f(^-^; 」 ところが牧場跡に戻り、食事をしようとしたらポツポツと雨が降ってきたのである(12時20分) 食事は後からする事にして下山を急ぐ。
林道を下っている途中でまた晴れてきた。みれさんが腹が空いた!とかなりウルサイ(笑) 登山口近くでみれさんが、右の斜面にザゼンソウが咲いているのを見つける。花は全然期待していなかっただけに喜びを感じてしまう。ザックを下ろして斜面を攀じ登る。最近HPを開設したみれさん、こういう花の写真も撮らなければ!と・・気合が入っている様子。「レポのために写真を多く撮らなきゃいけないし、なかなか大変だね!」と・・初めてその苦労が分かってくれたようだった(苦笑) 13時40分に車に戻った。
実はこれで話が終ったわけではなかった。車に戻って食事の準備をしていると、またもや雨が降ってきたのだ!(--;) どこまでこの田舎者をからかうのだろうか? 結局帰りの国道沿いのパーキングで食事を済ませたのであった。みれさんは腹を空かせ過ぎて・・半分発狂しかけていた。。(笑)

今日は撤退という形にはなってしまったが、私自身としてはかなり満足した山行になった。やっと行けた!というその思いがとても強い。いろいろと書いてしまったけど、協力してくれたみれさんにはとても感謝しております。・・今さらもう遅いかもしれませんが。。(^^ゞ
ザゼンソウ
ヒダボタン
<休憩を含む行程時間>
最初の橋を渡った空地(6時50分) → 和田山牧場跡(8時20分) →ダレクト尾根撤退(10時50分)
→ 和田山牧場跡(12時20分) → 空地(13時40分)

<所在地>
岐阜県郡上市白鳥町石徹白  MAP
和田山牧場跡から