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野伏ヶ岳(1674M) 3月3日(土) 曇一時晴  みれさん chakoちゃん
ここ2週間程所用があって山に登っていない。そろそろストレスが溜まってきたが、週末土曜日に偶然にも丸一日空いた。ちょっと遠出ができそうな雰囲気である。鈴鹿のフクジュソウが見頃と・・すっかり花モードになりつつあったが、みれさんに予定を聞くと、山友のchakoちゃんと野伏ヶ岳か乗鞍にスキーに行くつもりだと言う。「野野野伏かぁ!!」 去年、山頂手前で強風とガスで撤退した事が、走馬灯のように頭の中を駆け巡る。「これは何としてでも去年のリベンジを果たさなければ!」 花モードから一気に冬山モードに戻る。(^^ゞ ところが前日になって予報が変わり、午前中に前線が通過するために天気が崩れるという。みれさんと相談するが、なかなか名案が浮ばない。敦賀から登山口の岐阜の石徹白まで約170K、約3時間かかる。ダメ元で行くにはあまりにも遠過ぎる。いろいろと悩んだ末、ダメだったら温泉巡りでもする事で決まった。「露天風呂を3人で貸し切ってさ、背中でも流してあげるよ」「そそそんな怖ろしい事を!できれば20代ぐらいまでで・・・・」\(`o'")  朝4時に敦賀を出、福井でchakoちゃんを乗せてひた走る。明けてきた空を見渡すと、予想に反して雲も少なくいい感じである。「私、晴女なの!」と、お初になるchakoちゃんが言う。話してみると、なかなか面白い方で助かる。バカ男のような目で見られるのだけは辛い。(バカ男で間違いないが(^^ゞ)
7時過ぎに登山口に着く。すでにスキーを担いだ数人が歩き始めている。ここは山スキーのメッカで、スキーヤーが圧倒的に多い。準備を始めるが、スキーは綱引き?までやらなければならず・・なかなか大変だ。「本気を出したら!?」 両方ともブリッ子をしてたら、いつまでたってもシールは剥がれないだろう(笑)
和田山牧場跡まで林道を歩く。まだ3月だというのに暖かく、ジャケットなど無用である。下の方は所々雪が無いのでスキーは担ぐ。みれさんは逞しいのだが(笑)chakoちゃんは重そうでヨタヨタである。私は見るに見かねて担いであげる。「SIVAちゃん、甘やかさないで!」 これも練習だというのは分かるが、途中で「止めとこ」なんて言われたら、こちらが被害を被ってしまう(苦笑) 暫く歩いてやっとスキーを履けるようになる。ツボ足で歩いても締まっていて歩きやすい。何度も止まってchakoちゃんを待つ。何人ものスキーヤーに抜かれていく。「悪いから先に行って!」とみれさんは言うが、今日は最初から覚悟を決めている。「今日は遅くなっても全然かまわへんから、とことこん付き合うよ」」 chakoちゃんの機嫌を害うのが怖い。みれさんから「ちょっと○がままかも!?」と、聞いているからである(苦笑) 
ようやく和田山牧場跡に着く。道中、少し粉雪が舞ったがすぐに止んだ。広い牧場跡からの開けた風景は素晴らしい。目の前には野伏ヶ岳や薙刀山、右には願教寺山や銚子ヶ峰、振り返ると大日ヶ岳などが見える。周りを白い山に囲まれた別天地のよう。少し遅れてchakoちゃんが到着。「さあchakoちゃん、そこに座って休んでや。chakoちゃんのために木を倒しておいたから!(笑)」 今日はヒネ祭り・・いや、ひな祭りである。(^^ゞ 甘納豆のひな祭りバージョンを用意してきた。自分で言うのもヘンだが、私って本当に気遣いの人だと思う(笑) 下は、みれさんが持ってきた桜風味饅頭。もう春なんやねぇ。
左が野伏ヶ岳で右が薙刀山
銚子ヶ峰など
左上の写真は縮小しているので表情があまり分からないが、原板だとけっこう笑える。m(_ _)m 左の山裾を通ってダイレクト尾根の取り付きへ向う。平坦な道だがわりと時間がかかる。右手には巨木の立つ平原が広がり、テントが張ってある。ここでのんびりテン泊すると最高だろう。
こんな中をスキーで歩くのは気持ち良さそう。ぐる〜と周ってダイレクト尾根の末端から取り付く。ここで再度みれさんから「先に行くように!」と言われる。chakoちゃんはダイレクト尾根をスキーで登るのは無理だと思うので、途中で止める可能性があるからだと言う。この天気で山頂へ行けないとなると後悔するのは間違いないので、泣き泣きお別れして山頂への一人旅に出る。ま、私の車で来てるから置いてかれる事はないし〜(笑) 食材も全部持ってるし〜(爆)
尾根でも風はなく穏やかである。積雪は1Mぐらいだろうか。。雪質はだんだん緩んできている。いくつものトレースがあるが、なるべく硬そうな場所を選んで登って行く。だんだんと傾斜が増してキツくなってくる。久しぶりの山らしい山なので足に堪える。振り返ると大日ヶ岳がせり上がり、歩いて来た和田山牧場跡が小さく見える。前方には山頂が見え、何人かの人が登っているのが見える。
青空が見えてきた。左手には野伏ヶ岳から続く小白山。白い頂が美しい。広がる絶景に何度も足を止める(キツいのもある(^^ゞ) あの予報でこの天気とは儲けものである。約1500M地点ぐらいから、3人のスキーヤーが中央ルンゼを滑降していく。カッチョイ〜! 私もあと10才ぐらい若かったら・・f(^-^;
一歩一歩重い足を上げながら、ようやく北東尾根とのジャンクションピークに着く。北側の視界が開けて白山が目に飛び込んでくる。去年はここで撤退したのが懐かしい。あの時は大きく雪が割れていた。誰かさんは、その中に入って強風から身を守った。私はそんな事をしなくても・・吹き飛ばれそうになかった。(^^ゞ 山頂までもう一息だ。
やっと山頂に着く。平坦で広く・・360度の大展望である。今まで見えなかった赤兔山などの奥越の山々が姿を現す。大野市街も僅かに見える。白山付近は、雲の色と同化してはっきりは分からない。詳しい地図を持っていないので、山座同定ができないのが悔しいところ。それにしても信じられないぐらい穏やかだ。ジャケットを着込まなくても寒くないのだ。滋賀の八日市から単独で来られたスキーヤーの青年と、写真を撮り合い話し込む。普段の冬なら鈴鹿でも遊べるのに今年は無理だという。記録的な暖冬で、スキーヤーも困っているようだ。あっ、食材を全部持っているのをすっかり忘れていた。急いで下りないと、お腹を空かせたヒネ様・・いや、姫達に怒られてしまう。(^^ゞ
白山、別山など
小白山方面
赤兔山、大長山、経ヶ岳など
下に和田山牧場跡、正面奥に大日ヶ岳
ジャンクションピークまで戻ると、ダイレクト尾根の下の方からchakoちゃんらしき人が登って来る。ツボ足のようだ。さらにその下には、みれさんらしき人が!? 暫くここで待っていると、やっぱりchakoちゃんが登って来た。「スキーはどうしたん?」「みれさんに、お・ま・か・せ♪ いいのよん、あの人の訓練の為だから!」「コワ〜(^_^;」 せっかくなので、 chakoちゃんに山頂へ行ってもらう。さらに待っていると、ザックにchakoちゃんのスキーを付けたみれさんが悪戦苦闘しながら登って来る。ピークの手前はかなりの急斜面である。一歩一歩が根性!笑いを見せるものの辛そうだ。可哀相で涙が!と思ったら・・出たのは鼻水だった。(^^ゞ 
御苦労さん、最後まで根性で頑張った君は美しい。・・いや、後の景色がだけど。。\(`o'") みれさんにchakoちゃんの言った事を話すと、「あの野郎〜 絶対許さん!」と・・倒れ込んだのであった(笑) みれさんは、山頂へは行かずにここで昼食にする事にした。「腹減った〜 メシ!メシ!」「ハイハイ、只今作りますんで、少々お持ちを。。」と・・急いで鍋を作るワタクシ。。(^_^;) そのうちchakoちゃんも下りて来て、景色を眺めながらの楽しい?一時となったのである。
昼食も終り、いよいよ滑降である。中央ルンゼを覗き込みながら、コワイ!コワイ!を連発する姫達。確かにかなりの急斜面であるが、「覚悟を決めてやらなきゃしゃあないでー!」と・・人事のように言ってしまうワタクシ。。f(^-^;
みれさんの滑降
もしもしchakoちゃん、歩くのではなく滑るんよん(笑)
ありゃ?(笑)
二人が見えなくなったので、急いで私も下りる。ところが雪が緩んできていてズボズボ。飛ばして強く体重をかけるとごぼってしまう。大して急げずに和田山牧場跡に戻る。まだ姫達は戻っていないようだ。暫く待っているが、なかなか姿が見えない。もう4時半になる。一人のテン泊のスキーヤーが戻って来たので、聞くが知らないと言う。時間も時間だし、何かあったんだろうか?と不安になってくる。ツェルトは持ってきてないが、携帯は繋がるし、テン泊の人もいるし・・と、いろいろ考えてしまう。二人のズッコケ姫達の姿を見た時は、本当に安心した。良かった。姫達は、待つ身のこんな気持ちを知らないだろうが。。

これでまだ問題が終ったわけではなかった。簡単な林道の下りはスキーが圧倒的に速い。今度は私が遅くなる番である。「そんなら下で待ってるし〜」と、あっという間に消えてしまった。何てこった。(^_^;) 林道もすっかり雪が緩んでいる。急ぐので横着してショートカットを試みるが、股下までごぼったりしてまた林道に出る頃にはフラフラである。「急がば回れ!」とはよく言ったものだ。二人が退屈そうに待つ登山口に着いたのは、すっかり薄暗くなった6時であった。(^^ゞ これは後日の話だが、chakoちゃんがみれさんに「SIVAちゃんて足が遅いのね!」と言ったそうである。あーあ、さすが天然で呆れてものが言えない。くそ〜 いつかお返しするので覚えておいてね!(苦笑)

まあ、しかし天候にも恵まれて良かったと思う。リベンジも果たせた事だし。ゆっくり丸一日遊ばせてもらったという感じで、お二人の姫達には大変感謝しております(ホンマか?笑)
<所在地>
岐阜県郡上市白鳥町石徹白  MAP
奥に大日ヶ岳