鍋尻山(838M) 平成26年4月1日(月) 晴  みれさん
霊仙山のすぐ近くの鍋尻山は、行く機会に恵まれずにまだ未踏だった。どうせこの山に行くのだったら福寿草が咲く時期に妛原コースから登りたいと、かなり前からそう思っていた。最近は遠出ができない状況が続いているが、たまにはいいだろうと先月から狙っていたのだが、天候に恵まれずに今日になってしまった。ここの福寿草は藤原岳などよりも咲く時期が少し早く、おそらくギリギリといった感じだろう。そんな最後のチャンスに天気も情をくれたようで、嬉しい事に快晴の予報。長年気になっていた山、コースが歩けるという事でワクワク気分で出掛けた。みれ殿との山も久しぶり。ちなみに廃村の保月からはハイキング感覚で登れるが、村までの道は冬季通行止の制限がある。


妛原の集落の一番奥、権現谷の林道脇に車を停めて準備をしていると、すぐ近くで聞き慣れない異様な大きな音がして驚く。敵機来襲か?
(笑) 何が起きたのだろうと立ち上がって見ると、何と林道が崩壊しているではないか!(左上の写真の通行止の看板の向う側) さすがのみれ殿も、これにはビビリまくり。きっと私達を歓迎してくれているのだろう。なんて、無理に都合のいい様に考える事にした(苦笑) 車をもっと手前に駐車をし直して出発。



山行で久しぶりに見る朝の陽が眩しい。みれ殿は風邪が長引いているらしく、お鼻は噴水状態のようである(笑)(後から花粉症に昇格?されたようだが) ティッシュを鼻の穴に詰め込んでおけばいいと思うのだが、さすがにそれはドツかれそうで言えない。f(^-^;

錆びた鉄の橋を渡り、左の廃屋の左横、古い石垣の横の踏み跡から取り付く。



やがて道は九十九折になり、一気に標高を上げていくが荒れている。



尾根に上ると、右から河内からの道と合流。明るい尾根道を進んで行く。そういえば河内からのコースの記録というのがほとんどない。私が思うに車の駐車の問題があるのではないだろうか?



数は少ないが、所々に期待していたミスミソウがまだ咲いていた。



両側が鋭く切れ落ちた痩せ尾根。左下には妛原の集落が見え、右には隣の山の巨大な岩壁が見える。みれ殿も気になるようだ。(^_^;

道は急になり、石灰岩がゴロゴロした特有の雰囲気。



やがて二本の大杉が現れ、奥に岳の地蔵が祀られている。鮮やかに見えた花は造花。

道がわりとしっかりしているのは岳の地蔵までで、植林地に入ると薄くなる。



昔は河内と保月とを行き来した道だと思うが、だんだんが分からなくなってくる。とにかく上を目指せばいいのだが、適当に登り易い所から!と言っても悩むので頭が痛い。(^^ゞ ちなみにこのコースには最初から道標などは一切ない。ほとんど役に立たないテープがたまにある程度だ。



道さえあればどうって事はないのだが、こういう状況は疲れる。みれ殿も鼻の関係で苦しそう。。(笑) 昨日も天気が良かったようで土は乾いていたが、もし濡れていたりしたら難儀だと思う。

後から思えばもう少し右から、植林地との境を上ればまだ楽だったかもしれない。



ようやく岳の峠に出る。静かで広々とした・・別世界に来たような雰囲気。正面には鍋尻山の山頂が見える。

反対方面の岳の畑に寄り道するが、みれ殿からイチゴを頂いて小休憩。好天で気温が上り、かなり汗を搔いてしまった。



すぐ岳の畑(P696)に着くが、木々の間から霊仙が見える程度で特に何があるわけでもない。なので、わざわざ行く必要はないように思う。



岳の峠に戻り、山頂へと急斜面を登り始める。正しくカレンフェルトという地形で苔生した雰囲気がなかなかいい。ただ、ここも道がないので適当だ。



途中の開けた場所からは間近の霊仙山がよく見え、烏帽子の奥には養老山なども見える。この方角から見る霊仙山はなかなかいい山容をしている。



また山頂へ向けて登り始めるが、みれ殿もだんだんヤケクソになってきたよう。。(笑) その気持ちはよく分かるけど、ただ残雪期のここはドロドロになるようなので、それがないだけマシと考えるしかない。無駄なスパッツのおかげで足が暑くなってきてしまった。



山頂に到着。保月からの先行者が一人。今の時期なので木々の間から景色が少し見えるが、葉が生い茂ると無理だろう。写真だけ撮って先の展望地へ向う。



ロープや網が邪魔だが、ビックリするような素晴らしい展望地。南方面の琵琶湖から養老山ぐらいまで、約180度の展望だ。特に大きな御池岳、双児峰の三国岳、その左の少し尖がった烏帽子岳などが際立っていて地図を見なくてもよく分かる。

本来ならここでマッタリ昼食タイムといきたいところなのだが、まだ時間も早いし福寿草の群生地まで下りる事にする。

ところが、下りる道がよく分からないのである。周囲は広範囲にロープが張り巡らされているし、道らしきものもない。結局素直に緑と青の網の間を下ればいいのだが、ロープを張るぐらいなら道標を一つ立てれば済む問題なのだ。そして、この網がある理由もよく分からない。でもあまり深く考えると、髪が薄くなりそうなので止めておこう。
(^_^;



やっぱり福寿草は少し遅かったようだ。花弁が落ちて坊主になった株が多くある。

周囲を徘徊して、どうにか鑑賞に堪えうる花だけをカメラに収める。ただここの花は、藤原岳の花と比べると少し小さい気がする。



ここで昼食タイム。前方には御池岳などが見える。しかし、こんなふうに山で昼食なんて何ヶ月ぶりだろうか?冬の定番の鍋も初めてで・・最後だろうね。そんな湧き上がる切なさを感じながらマッタリと過した。

保月の方から人が僅かだが登って来る。



昼食を終え、保月の方へもう少し下って行く。保月から歩く人が圧倒的に多いと思うのだが、意外に道はそんなにしっかり付いていない。



この道標から左折して(下って来ると)山腹道へと入る。すぐに福寿草が咲いていて驚く(こんな植林地内のような場所にも咲くのだろうか?)



最初は林道のような道だが、すぐに消えてなくなってしまう。標高を下げないように少し気を付けながら、また適当に進んで行く(こればっかり・笑

急斜面を少し登って尾根に乗る
(P709付近)



尾根から離れてまた山腹を横切って行くのだが、ここから暫くは酷い倒木である。何本もの木を跨ぎ、また超える。おまけに笹の堅いような木が藪のように生えていてウンザリする。後から思うと、もう少し上を歩いた方が良かったのかもしれない。

倒木地帯を抜けてホッとするが、また急斜面が待ち受けている。みれ殿なので喜んで?もらえているが、普通の人だったらおそらく絶縁もんだろうね!
(苦笑)



右前方に岳の畑付近が見えてくる。

この付近からの眺めも素晴らしい。左に霊仙山がクッキリと見える。右端の尖った山は、みれ殿が好むカタカナの山のコザト。



岳の峠に出る。初めてで用心もあったので、少し時間が掛かった。刺激的な歩きだったが好んで歩くルートでもないような気がする。一度歩いておけば十分な感じ。



来たルートを戻る。なんて言っても適当に登ったので・・これも適当である(笑) 途中で少し右に行き過ぎたので修正。



下りは右手の権現谷の様子が自然に目に入るのだが、深く鋭く切れ込んだ谷はしょっちゅう落石があっても不思議ではないように思う。



朝閉じていたミヤマカタバミの花は、どれも満開に開いていた。



人が住んでいるように見える家も、ほとんどが空家になっている妛原の集落。


今日は本当に天気に恵まれ以前から気になっていた山、コースが歩け、また福寿草も見れて大満足の日になった。たまにはこういった刺激的な歩きも悪くない。花粉症姫にも感謝の一言である
(笑)





 
休憩・撮影を含む行程時間
 登山口(8時20分) → 岳の地蔵(9時00分) → 岳の峠(9時35分) → 岳の畑(9時55分) → 山頂(10時30分)
 → 展望地(10時35分) → 福寿草群生地(10時55分~12時20分) → 分岐(12時35分) → P709(13時00分)
 → 岳の峠(13時30分) → 岳の地蔵(14時05分) → 下山口(14時35分)

 所在地
 滋賀県犬上郡多賀町
  MAP  GPS軌跡





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