甲斐駒ヶ岳(2967M) 平成25年8月4日(日) 晴のち曇  みれさん
春先に今年はツクモグサを見に八ヶ岳へ行く話をしていたのだが、都合、タイミングが悪くて行く機会を逃してしまった。夏に入って天候がそろそろ安定してきたし、私も辛い草刈りが終り、気分転換に遠征がしたくなった。みれ殿も久しぶりにアルプスへ行きたい気分のようだ。断っておくが、この人の場合はアルプスを行き尽くしているのでもう行く山がなく、私とは根本的に月とスッポンぐらいの大きな違いがある。私はまだ南アルプスへ行った事がないので、今回みれ殿も推薦の甲斐駒ヶ岳も、冬の黒戸尾根を登った事しか覚えていないとか・・ つまり、普通の山の会話が非常に難しいのだ。ナハハ

敦賀を前夜8時に出発し、バス乗り場のある仙流荘に着いたのが深夜12時前。第一駐車場は、ほぼ満車に近かった。満天の星空で気分は上々、天気も心配はなさそうだ。

早朝の4時ぐらいから騒がしくなり、準備を終えた登山者が続々とバス停に並び出す。始発は6時なのだが、臨時便が出るようだ。私達も準備をして並び、5時半にバスは出た。ちなみに往復のバス料金は2600円。この料金が勿体ないので峠で一泊し、仙丈ヶ岳とセットにするのが多いようだが、そんな事を言っていると私のような者は何時までも行けないのも事実。



バスは約50分掛けて標高約2千メートルの北沢峠へと向う。窓からは甲斐駒の隣の鋸岳がよく見える。みれ殿は垂直に見える崖のような沢を指差し、「あそこを登ったんだよねぇ〜」と、また会話のできない独り言をポツリ。。

バスにもそろそろ飽きてきた頃、ようやく北沢峠に着く。峠ではアンケートに応じると、簡易トイレが無料で貰えるような催し物をやっていたので、みれ殿は喜んでトイレをゲットしてきたようだ。
ククク



北沢峠からはほとんどの登山者が、甲斐駒に登る人と仙丈ケ岳に登る人とに分かれる。また甲斐駒はテン場、山小屋から仙水峠を経由して行く人達がいるので、私達が歩く双児山からのコースの人はぐっと少なくなる。



トウヒ、シラビソなどの独特の雰囲気の樹林帯を登って行く。この雰囲気は、普段の山とは全く違うので新鮮だ。汗は流れるが、湿度が低くて涼しいので快適。体中にカビが生えそうな所から出て来た者には極楽である。



北沢峠から双児山の標高差は約600Mあるのだが、南アルプスは北と違って森林限界が高いので、なかなか展望が良くならない。山頂近くになってようやく展望が良くなり感動するが、私にすれば何たってこの青空が一番嬉しい。ポリポリ



双児山(2649M)に到着し、小休憩。多くの登山者が休んでいる。



初めて見る景色に感動。目の前には栗沢山やアサヨ峰、左奥には鳳凰三山が見える(左上の写真) 左には端整な北岳、右奥には塩見岳方面も!(右上の写真) 日頃貧しい私には、これだけでも十分な御馳走だ。



駒津峰の奥に見える凛々しい甲斐駒ヶ岳に向う。いったん下ってまた上り返す。左には名の通りの形をした鋸岳がよく見える。



駒津峰への上りはザレていて、少々歩き難い。上りの途中から振り返ると、仙丈ケ岳がよく見えてくる。



駒津峰(2752M)に到着。けっこう仕事をしたと思ったけれど、たった百メートルしか標高は上っていない。甲斐駒は目の前になるが、早くもガスが湧いてきたようだ。ま、全然珍しくはないが。。ポリポリ 今日は山友さん達が穂高に登っているらしいが、北は酷くて厚い雲に覆われて全く見えない。ま、合掌でもしておきましょう!ククク

先程から軽い頭痛がし、息も苦しい。この標高に慣れていないので、軽い高山病かもしれない。何時までも愛煙家を卒業できない私に、今回のみれ殿はボロクソに誉めて?くれるが、言ってくれるうちが華だと思う。ま、3年ぐらいの執行猶予を下さいな。「今でしょ!」
・・・ポリポリ



駒津峰からはまた鞍部まで下る。道は大小の岩上を歩く事が多くなり、特に急な下りは足の置き場に神経を使うので疲れる。



六方岩を過ぎると鞍部。そこから山頂まで最後の上りが続く。すぐに直登コースと巻き道コースとの分岐があるが、上りは直登コースを使い、下りは巻き道コースを使う事にする。



このコースは岩を攀じ登るような箇所が何度かあり、みれ殿はかなり嬉しそう!あまり見た事のない満面の笑顔である。ま、この辺が私との人種の大きな違いやろね。ナハハ



花は意外に少なく、ゴゼンタチバナ、シャクナゲ、トウヤクリンドウ、ハクサンイチゲ、イワツメクサが少し咲いていた程度。



予定通り?にガスの中へ突入し、最後はザレた道を九十九折に登る。



賑やかな山頂に到着。久しぶりの3千メートルだが(33メートル足りないが)展望はガスで全く見えないので、そんな感じがあまりしないのが辛いところか。。でも、南アルプス初登頂おめでとう!(自分で言っている) 山頂はわりと広く、祠には馬頭観音が祀られている。

隅で昼食が終わる頃、ぽつりぽつりと雨が降ってくる。これ以上、長居をしても無駄そうなので下山。



下山は予定通り巻き道コース。少し下った先のピークに剣が祀られていたので、てっきりここが麻利支天だと大きな勘違いをしてしまった!(西峰?) ここで気が付いていたら、麻利支天へ寄ったのに残念! 



ザレた道を下って行き、右に回り込んで行くと六方岩が見え登って来た道と合流。



駒津峰への上り返しは、けっこうキツイものがある。

駒津峰では多くの人で賑わっているが、周囲の山々はガスでほとんど見えなくなってしまっている。



駒津峰から栗沢山を眺めながら仙水峠へと下る。歩き易い道なのだが、単調なのでだんだん飽きてきる。



花はヤマハハコ、コバノコゴメグサなどが咲いているが、やはり数は少ない。



仙水峠付近一帯だけ、奇妙な色形の岩がゴロゴロしていて不思議な感じ。



一帯を過ぎると広く緩やかな道が続き、やがて仙水小屋に着く。沢沿いは涼しい風が吹き上って来る。



さらに沢沿いの緩やかな道を下って行くと、多くの登山者で賑わいを見せる長衛小屋に着く。南には大きなテン場がある。

テン場を過ぎると林道に出て、北沢峠に向う途中でバス待機場から3時発のバスがちょうど動き出す。みれ殿が運転手と何か話をしたようで、バス停でバスが待っていてくれていた。女の特権のおかげかラッキー!駐車場のある仙流荘は温泉ではないので、帰りに高遠の温泉に寄って帰路に着いた。

久しぶりの遠征で初の南アルプスという事で、何もかもが新鮮でリフレッシュができた。欲を言える身分ではないので、展望もあれで十分に満足。みれ殿には毎度ながら、お付き合いをしていただいて感謝である。

 
休憩を含む行程時間
 北沢峠登山口(6時30分) → 双児山(8時00分) → 駒津峰(9時00分) → 甲斐駒山頂(10時35分〜11時20分)
 → 駒津峰(12時15分) → 仙水峠(13時35分) → 仙水小屋(14時20分) → 長衛小屋(14時45分) → 北沢峠(15時05分)

 所在地
 長野県伊那市  MAP  GPS軌跡
 





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