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浄法寺山(1052.8M) 〜 南丈競山(1045M) 7月1日(日)  単独
梅雨の中、少しマシな天気になりそうなので嶺北の山に行く事にした。しかし、前々日に大雨が降っている。一人なので、高い山や奥深い山は避けた方が無難だ。そんなわけで、永平寺町にある浄法寺山に登る事にした(単なる気分で(^^ゞ) この山は、福井市からもっとも近い1000M級の山として人気がある。敦賀を6時に出て下道を走る。福井市に入ると青空が見えてきたが、西の山々は低い厚いガスに覆われている。これはちょっと悲しいかも?と気力が一気にダウンするが、ササユリが見られるかも?と思うとかなり救われる気分になる(苦笑) 登山口のある浄法寺青少年旅行村へ、狭い山道を上っていく。道には所々大小の石が転がり、沢からの水が勢い良く川のように流れている。あまり気分のいいものではない(苦笑)
8時前にキャンプ場に着くが誰もいない。見上げれば・・すぐガスである。おかげで涼しい。(--;) 気分があまり乗らないが、ここまで来て引き返すわけにもいかない。管理塔の横にある清水小場で水を汲み、ゆっくりと歩き始める。一応、冠岳コースから登って関谷コースで下りる事にする。
伸びた草に付いた朝露がズボンを濡らす。注意をしないと、クモの巣が頭や顔面を直撃する。(だから一番は好きじゃないんだよな) ストックを振り回してクモの巣を切りながら歩くと、すぐに急登が始る。階段に、ロープの垂れ下がった岩・・ 落ち込んでいる気分をたっぷりと弄んでくれる。。(--;)
濡れて滑りやすい足元に注意しながら、息を切らしながら黙々と登る。汗が吹き出る。ふと先を見ると、白い大きな花が風に揺れている。ササユリだ! たぶんあると思っていたが、こうして実際に出会えると嬉しいものである。落ち込んでいる気分に・・苦しい道なのでなおさらである。振り返ってみてもガスだけ。敏感になった耳は、鳥の囀りさえ少々うるさく感じる。
ポツリポツリと咲くササユリを愛でながら、約1時間程で冠岳に着く。言うまでもなく、周囲はガスで全然見えない。諦めてベンチに腰を掛け、汗を拭いながらオレンジを頬張っていると、熊鈴の音が聞こえてきて二人の御婦人が登って来られた。続いて年配の男性が一人。話を伺うと地元の方である。コーヒーを勧められたが、熱いのは飲む気になれず丁寧にお断りする。
浄法寺山へ向おうとザックを背負った瞬間、前方左奥に南丈競山の小屋が一瞬だけ見える。あっという間にまたガスに覆われてしまったが、今日初めて見る景色らしい景色だった。御婦人の後から歩き出す。
アップダウンのある稜線を行くと、ササユリの数がだんだん増えてくる。それもだんだんと立派になってくる。まさにササユリ街道である。花の状態もちょうど良いぐらだ。写真を撮っている間に御婦人達は見えなくなってしまう。ヤマボウシやコアジサイの花もキレイだ。黄色のコナスビの花がやけに大きい。
ササユリを思う存分堪能し、少し大きく登って浄法寺山の山頂に着く。誰もいない山頂には、木製の展望台が淋しそうに建っている。御婦人達はすでに南丈競山に向われたようだ。一応展望台に上がり、九頭竜川の流れや周囲の山々を目頭に想像してみる(苦笑) そういった事に時間を割くのは虚しい事に気付き、私も南丈競山に向かう。少し大きく下って緩やかな草原状の道を行く。南丈競山の小屋は見えないが、幾分ガスが晴れてきたようである。
嶺南に比べると、さすがにこの辺りは少し遅いのだろう。ヤマツツジがまだキレイに咲いている。景色が見えない道中は、またササユリが楽しませてくれる。コメツツジの白い小さな花もポツポツ咲いている。
少し急になった道を登って南丈競山山頂に着く。山座同定板や祠があり、真新しい小屋が建っている。ぐるりと周囲を回ってみるが、残念ながら足を止めてしまう状況にはならない。御婦人達は小屋の中で食事をしているようだ。私は外の風が心地よいので、U字溝に腰を掛けて食事をする。冷えた○ールが美味しい。虫が寄ってはくるのだが。。
食事も終わり、もう何もする事がないので浄法寺山へと戻る。日頃の行いというのは、やはり大事にしなければならない。歩いているうちに、だんだんとガスが晴れてきたのである。向う浄法寺山がはっきりと見えてきた(左上) 振り返ると、南丈競山も見えている(右上) 西側はダメだが、東側には福井の街並が薄っすらと見えている。本音を言えば、せっかくここまで来ているのだから、このぐらいのサービスはバチが当らないだろう。(^^ゞ
浄法寺山へ登り返す途中、上の方からだんだんと人の声が大きく聞こえてくる。山頂には多くの人がいるようだ。山頂に着いた瞬間、福井のヨシさんと目が合った。「SIVAちゃん、久しぶり〜!」「わぁー!ヨシさんやん!」 駆け寄り・・握手を交し、熱い抱擁・・ はなかった。(^^ゞ 久しぶりといっても約半年ぶりである。赤兔山が通行止で登れず、変更してこの山に来たそうである。こういう方が他にも何人かいた。さすが?ヨシさんである。大きな八木アンテナを持って上がり無線を楽しんでいた。展望台からは、朝とはウソのように周囲の風景が見える。ヨシさんとまたの再会を約束し、私は先に下山をする。冠岳へ向う途中もどんどんと人が登ってくる。冠岳の分枝から関谷コースへと入る。なだらかな道が暫く続く。
西側の山並み
南丈競山
九頭竜川など
やがて、下に見えるキャンプ場に向って急降下が始る。ロープ、苔生した岩など・・距離は短いが気を使う道である。
しし岩の前を通り、左横に険しい黒岩が見えると終わりに近い。ポツポツと雨が降ってくる。建ち並ぶコテージや、家族連れで楽しんでいる姿を見ながら駐車場に戻る。飽きる程のササユリが見る事ができてとても満足だった。
コメツツジ
コナスビ
ツルアリドオシ

 <休憩を含む行程時間>
 旅行村駐車場(8時10分) 〜 冠岳(9時00分) 〜 浄法寺山(10時10分) 〜南丈競山(10時50分)
 〜 浄法寺山(11時50分) 〜 冠岳分枝(12時50分) 〜 しし岩(13時20分) 〜 旅行村駐車場(13時46分)  

 <所在地>
 福井県吉田郡永平寺町  MAP