飯降山(884.3M) 平成25年6月23日(日) 曇のち晴  I&Y氏
今日は久しぶりの元同僚との山行。最初I氏は若狭町の三十三間山に行きたがっていたのだが、Y氏が朝の8時まで仕事で遅くなるので、諦めて大野市と福井市との境に位置する飯降山にしようと言い出す。元同僚といっても、I氏の年は私より二十ちょっと上。Y氏にいたっても一回り上である。そんな明日の事も分からない人達の希望はなるべく聞くようにしている。

飯降山はガイドには載っているので知ってはいるが、今までほとんど話題にもならなかった山である。地元の山友さんの話からもあまり良い印象は持っていなかった。しかし遠方から見ると、標高は低いが形がいいのでよく目立つ。それに「日本昔ばなし」に載るような伝説もある。ただ近くに荒島岳や銀杏峰、経ヶ岳などのスターが大勢いるので、どうしても存在が薄くなってしまうのだろう。そういう意味では不運な山で、私と少し似ている気がする。



Y氏の会社で待ち合わせ、大野市の飯降地区の公民館に車を停める。すでに石川ナンバーの車が二台停まっているのに驚く。空はまだ雲が多く、周囲を見渡してもスター達はほとんど見えない。今日の天気は回復傾向なので、後に期待したい。

公民館の前の道を北に150Mぐらい行った所に登山口がある。入口には獣避けの電線が張られているので外す。本当にビリビリくると、ユニークなY氏は早速遊んでいる。



急な木の階段を少し登って行くと、すぐに白山大権現の社が建っている。ここも泰澄大師が開かれたらしい。なかなかやりますなぁ。



社の後の作業道を少し進み、右斜め方向の道へと入って行く。この分岐には道標の一つぐらいあってもいいだろう。

緩やかな道を進んで行くと、ガスがかかっているが、前方左上に山頂付近が見える。



少し急な坂を登ると、すぐに尾根上に出る。この分岐の右から来る道は戌山城址を通って来るコースだが、この城址は少し気になるので、次回はこのコースを歩いてみたい。



暫く尾根上の広い快適な道を進む。気温もそれほど高くなくてありがたい。

以前は15分も歩くとすぐに休憩をしたがるI氏だが、今回は30分も持った。70を過ぎておそらく成長はしないだろから、きっと感覚が麻痺してきているのだろう。



いよいよ急登が始まるが、道は九十九折に上手く付けられていると感じた。ただ赤土なので、昨日の雨で濡れて滑り易い。下山は要注意な箇所もある。

道脇にはヤマアジサイやコアジサイが咲き、途中からは尾根や大野市街を見下ろす事もできる。



所々に、こうした目安になる小さな杭が立てられている。

休憩を繁栄に取り出したI氏に付き合っていると疲れるので、何時ものように私とY氏は先に行く事にした。



少し道が緩やかになると、綺麗なブナ林が現れる。こんな雰囲気があるとは想像していなかったので、テンションが上る。不人気の山のようだけど、なかなか良い感じじゃないか!

良い感じは続き、数は少ないが雨後で瑞々しいササユリも咲いている。花も写真も興味がないY氏は、さっさと先に行ってしまった。



左にアンテナ小屋と林道が現れる(写真は通り過ぎてから見た場合) 林道は車では通行不能のようだ。

さらに美しいブナ林が続く。



ウツギとシライトソウ。シライトソウは若狭の山では見た事がない。



やがて上から大きな話し声がして、6人ぐらいの団体さんが下りて来る。駐車場にあった車の人達だろう。私を見て、「登る人がいるんや!」という呟く声が聞こえたが、そちらも一緒である。どうでもいいがこちらは道を譲ろうと立ち止まっているのだから、おしゃべりは止めて早く行ってほしいものだ。

最後の急坂を登ると、社のマークが付いた小屋?がある平坦な場所に出る。周りには古い石仏が幾つかあるが、ここが御嶽権現で泰澄作という十一面観音菩薩像が祀られているのだろう。

ここからは大野市街方面の眺めが素晴らしい。登る時に気になったガスは、すっかり晴れたようだ。雲がなければ白山も見えるのだろう。



さらに平坦な道を少し行くと右に反射板が見え、さらに少し先に三角点があった。ここからの展望は全くない。

Y氏の姿は見えなく先に行ったと思うが、気になるのはI氏の方である。暫く座って待つが、一向に来る気配がない。先程の御嶽権現の所まで戻ると、若い親子連れの人が登って来た。I氏の事を尋ねると、すぐ近くまで来ていると聞いて安心する。待っている間、親子連れは三角点まで行って戻って来たようで、さらに先に展望の良い奥の院があるはずだと教えてあげると、また戻って行った。たまには人の役立つ事をしなければならない。



ようやく登って来たI氏と奥ノ院に向かうと、Y氏はすっかり待ちくたびれたようだった。「ちょっとぐらい心配せ〜よ!」という話だが、普段I氏に散々イビられているようなのでそれも無理か。。

三角点の場所は違うが、ここを山頂としているようだ。祠の前に小石が積まれていて、その一つ一つの石に願い事が書かれている。これはここの神が荒島岳より標高が低いのが悔しく、「石を積んでくれたら願い事を叶えてやろう!」という話からきているようだ。しかし何時でもというわけではなく、年に一度その日が決まっていて(6月初め)その日は地元でも松明登山が行われているようだ。



山頂からは抜群とまでは言えないが、そこそこの展望がある。正面には百名山の荒島岳。右の方角には銀杏峰、部子山がよく見える。あまり期待はしていなかったのだが、これだけ見られれば上等じゃないだろうか。。



山頂でまったりと食事をするが、男同士というのは大雑把でいまいち雰囲気が物足りない。「これ食えよ!」とか言って、夏みかん一つを丸ごとくれる。まあ、これが普通なんだろうけど・・贅沢?に慣れてしまっている自分に気付きます。

下山は濡れて滑り易い道に注意をするが、それぞれ二、三度は転びそうになった。



最初に飯降山を指定してきた時はどうか?と思ったが、登ってみると意外にいい山だという事が分かった。同僚との山はまた違った刺激があって面白いのだが、ただどうしても仕事の話が出てしまうのが問題か。。

 
休憩を含む行程時間
 登山口(8時55分) → 白山神社(9時00分) → 城跡分岐(9時15分) → 五合目(9時50分) → アンテナ小屋(10時30分)
 → 御嶽権現(10時55分) → 三角点(11時00分) → 山頂(11時01分〜13時10分) → 城跡分岐(14時15分)
 → 登山口(14時35分)

 所在地
 福井県大野市 
  MAP   GPS軌跡
 





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