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蓬莱山(1174M) 9月21日(水) 曇時々晴  チーさん
今日のチーさんとの定期山行は蓬莱山と前から決まっていたが、私の諸事情などで延び延びになっていた。「先週だったら最高の天気だったのに。。」などという・・関西方面からの遠い声を微かに聞きながら今日を迎えた(笑) 敦賀を出る時は曇空だったが、滋賀県に入るにしたがってだんだん青空が広がってきてホッとする。7時40分に蓬莱駅で待ち合せ。尼崎からJR1本で来ると片道1500円弱かかるが、私鉄と組み合せて来ると1040円で済むという。さすが一応・・主婦である(笑) 通学の子供達でごったがえす中、山姿のチーさんは少し異様に思えたりもした(笑) 駅から山頂のリフトの建屋がスッキリ見える。「今日はいいですよ!」「午後から崩れるらしいで!」「(^_^;)」

「コースはどうする?小女郎谷から登るつもりだけど・・」「下山は金毘羅道からにすればいいやん!」「ゲッ!そうすると、6K弱の車道や林道歩きになるけど・・」「別にいいやん。六甲ではそれが普通やで!」「(--;)この場におよんで文句は言いませんけど。。」
小女郎谷へ向う道と、金毘羅道から下りてくる道とを最短距離で結ぶ道沿いに車を停める。すぐ横には湖西道路が通っている。犬の散歩をしているオッサンが、不審者でも見るような眼つきで私達を睨む。「ここに停めてもいいですかね?」「ダンプが通るけど、そこなら大丈夫やで!」(な〜んや!優しい人やん(笑)) ここから小女郎谷の登山口まで1.5Kぐらいはある。初めは緩やかだがだんだん急になる。道脇にはヤブランやヒガンバナなどが咲いていて、チーさんはすぐに撮影モードに入る。キリがないので適当にすればいいと思うのだが、ほんとに感心するぐらいよく撮る。さすが先生だ。
ヤブラン
ヒガンバナ
舗装された道はだんだん急になってくる。まだ涼しい時間帯で、ゆっくり歩いているとはいえ汗が流れてくる。ススキの長い穂が秋を感じさせてくれる。この道は堰提で行き止まりだが、登山道は右横から続いている。杉林の中の緩やかな道を少し行くと「薬師滝」に着く。ここで少し休憩。滝からの風が涼しくて気持ちがいい。
テンニンソウ
フシグロセンノウ
アキチョウジ
沢沿いのシダ類の生える緩やかな道を登っていく。なかなか雰囲気のいい道だ。一輪のフシグロセンノウを見つけると、チーさんがすかさず一言!「この花を見たらヒルに注意やで!」と私を脅す。この花はヒルと同じで、ジメジメした場所を好むらしい。ここでヒルの話は聞いた事がないが、思わず靴やズボンを点検をする(笑) 大丈夫だったが。。(^_^;) やがて両脇にはテンニンソウの花がお目見え!この状態が上部まで続いていた。
左岸から右岸へ渡る所には特に多くの花が咲いている。チーさんはトリカブトを見つけ、嬉しそうに写真を撮る。何でもお気に入りの花だそうで、六甲では見られないという。私も最初そのトリカブトのキレイな青の色に目を奪われていたが、そのすぐ後にアケボノソウが咲いているのに気が付く。「チーさん、アケボノソウやで!」「ホホンマや!」ビックリだった。まさかここでアケボソウが見れるなんで。。この花は北陸ではほとんど見れない花なので、その喜びもまた格別だ。他の花の事などすぐ忘れてしまい、気合を入れて写真を撮りだす(笑) 10分ぐらいは無言で格闘していただろうか?ふとチーさんを見ると・・呆れた顔をしていた。。(^^ゞ
アケボノソウ(クリックで大)
トリカブト
ノコンギク
オタカラコウとシシウド
道はまた右岸に渡り、少し沢を離れるように斜面をジグザグに上っていく。写真を撮りながらスローペースで歩く。今の時期はハチに要注意である。休憩をするが、ハチのムサシ?が寄ってきて落ち着かない(笑) 斜面にはトリカブトの群落。「これ程の群落は見た事がない!」と、チーさんは興奮気味だ。 
ミカエリソウ
アキノキリンソウ
沢の上部に戻り、溝状になった急坂を登る。なかなかキツイ坂だ。やがて上が開けてきて峠が近いのが分かる。
傾斜は緩やかになり、ススキや笹の草原状になって小女郎峠に着く。振り返ると谷越しに琵琶湖が見え、南は権現山へ!北へは蓬莱山へと気持ちの良さそうな道が続いている。青空が迎えてくれて爽快な気分だ。
見たかった小女郎池へと向う。峠から真っ直ぐ西へ5分程の距離だ。思っていたより大きな池で、水量もたっぷりある。こういう池には伝説はつきものだ。伝説が書かれた案内板を読み出すチーさん。「そんな真剣に読まなくても、その地図の冊子に書いてあるで!ちょっと信じられんような話やけど。。」「伝説やからねぇ」「だいたい左目を自分で・・ なんてどう考えても信じられんな!」「ウルサイな!あくまでも伝説やって言うとるやろー!!!」「すんません。f(^-^; 」
峠に戻り、草原の道を素晴らしい景色に癒されながら蓬莱山へと向う。すぐに蓬莱山から下って来た夫婦連れの方に「金毘羅峠はこっちですか?」と聞かれる。ザックも何も持っていないので登山者ではないようだ。ゴンドラで上ってきたのだろう。「それは残念ですね!(笑)戻って山頂から東へ下りて行かないとダメですよ」と地図を見せながら説明する。その時の奥さんのガックリした表情は今も忘れられない(笑) そこそこ距離もあるし、山頂下の坂も少し急である。私達は途中で左の道へと入り、見えていたお地蔵さんを見に行く。岩の下に3体のお地蔵さんが祀られている。私は別に見に行きたくなかったのだが、チーさんのどうしても!というリクエストである。そういえば、チーさんは今までもこういうのは熱心に見てるようだ。何でか?・・理由は怖い気がして聞けなかった。。(^_^;) 
「けっこうキツイね!」などと言いながら・・やっと広々とした山頂に着く。リフトの駅はいらないが(笑)遮る物がない360度の展望だ。北には、すぐそこにゴンドラやリフトの基地になっている打見山。実はもう10年以上も前の話だが、子供達を連れてここに遊びに来た事がある懐かしい場所だ(ほとんど覚えていないが(^^ゞ) その奥には堂満岳や釈迦岳などの北比良の山々。左奥にはコヤマノ岳や名峰の武奈ヶ岳がはっきり見える。チーさん、大好きな武奈ヶ岳を見て感激に浸る。・・鬼の目にも涙か。。(笑) 南の比叡山などは逆光になってほとんど見えない。西には北山の山などが並んでいるが・・これは全然知らない。(^^ゞ 東には眼下に琵琶湖が大きく横たわっているが、残念ながら鈴鹿までは霞んで見えなかった。地図を広げて初めは山座同定を楽しんでいたが・・終いには口論となる。(^_^;) 気を取り直して食事タイム。武奈が見える社の日陰で、冷蔵庫の奥で眠っていた余り物のヘシコやコンビニで調達した簡単な物が並ぶ。ま、どんな物でもこういう場所で食べれば美味しいものである(笑)
何時までもゆっくりしたい心境だったがそういうわけにも行かず、気持ちのいい芝生の上を歩きながら東側のフェンスの切れ間から金ピラ峠へと向う。ここもしばらく絶景が広がる。チーさんの指先の向こうには何が見えるのか???
クリックで大
金ピラ峠までは道の悪い箇所がいくつかあったが、金毘羅道に入ると緩やかな歩きやすい道へと変る。九十九折の道を沢へ向って下っていくが、この道には花はほとんどない。
1時間程であっけなく林道に出てしまうが、ここから先4K程歩かなくてはならない。(^_^;)
金毘羅神社を過ぎ、急坂をダラダラと下って行く。チーさんは、相変わらずシャッターを押すのが大好きなようだ。「そんなのはパスしたらいいやん!」と言っても勿体ないようだ。もう・・ほっておこう!(笑) 話すネタも底を尽き、ウンザリしてきた頃ようやく車が見えてきた。。
今日は期待していない花にも多く出会え、天気にも恵まれて素晴らしい山行となった。来年にはリフトなどが無くなり、静かな山に戻るようで楽しみだ。ぜひまた来てみたい。
<休憩を含む行程時間>
車置場(8時10分) → 薬師滝(9時00分) → 小女郎峠(11時00分) → 小女郎池(11時10分)
→ 蓬莱山(11時55分) → 金ピラ峠(13時45分) → 林道(14時20分) → 車置場(16時10分)

<所在地>
滋賀県滋賀群志賀町  MAP
チーさんのレポ