白 山(2702M) 7月13日(日) 晴のち曇  kayoさん
昨年は白山へ行くチャンスがなかったので、今年はどうしても行きたかった。白山ならガソリンが高くなった事も忘れさせてくれる。まだ梅雨の最中だが、天気予報を見ながら交通規制直前のワンチャンスを狙った。同行者は大垣のkayoさん

最近かなり暑くなってきているので、なるべく早い時間帯から登り始めたいと思い、前夜発の車中泊をする事にした。20時過ぎに敦賀インターで待ち合わせ、22時半頃市ノ瀬に着くと、駐車場にはかなりの車が停まっていてビックリ。見慣れたみれさんの車にすぐ気が付く。後から知った事だが、すでに臨時の交通規制が行われていたようだった。満天の星空の下、kayoさんからビールを頂いて眠りに付く。途中で寒くて目が覚めたが、シェラフを半分借りてまた寝る事ができた。

まだ暗い3時半に起床、ポツポツと別当出合に向う車のヘッドライトが見える。熱いカップうどんと、kayoさんの鍋帽子の美味しい御飯を頂く。準備を終えて別当出合に向うと、道沿いにはすでに何台もの車が停まっている。私達も見習って?駐車場へ下りずに道沿いに停め、車道を歩いて登山口へ向う。耳の奥に残る道下を流れる手取川の水の音が、白山に来た事を実感させてくれる。
肌寒いがちょうどいい。5時、別当出合の休憩舎に着くと、数人の人達が出発の準備をしている。たった2年ぶりだが何だか懐かしい気がする。今回は花目当てでもあるので、観光新道から上って砂防新道から下りる予定。橋を渡らずに観光新道へと入る。kayoさんは観光新道をかなり前に下りた事はあるが、上るのは初めてらしい。スッキリと見える別山を眺めながら、まだ寝ている体で尾根への急登へ入る。以前よりかなり歩きやすく整備された道に驚いた様子。
息を弾ませせながら、尾根上の越前禅定道との合流地点に着く。ここで小休憩。さすがに汗をかいてしまった。右手には別山の美しい姿。振り返ると、雲海の上に奥越の山々が見える。鈴の音や話し声が聞こえ、続々と人が登って来る。
涼しい風を受け、景色を見ながらの尾根歩き。ササユリやハクサンチドリ、ヨツバシオガマ、テガタチドリ、ハクサンフウロなどの美しい花々が続々とお出迎え。特にニッコウキスゲが見頃で、斜面を鮮やかに彩っている。私は写真を撮るのに度々立ち止まるので、kayoさんに常に先を歩いてもらう。しかし、普段あまり花の写真を撮らないkayoさんも、今日は熱心にカメラを向けている。花名を次々と尋ねられるが、久しぶりに見る花ばかりなので喉まで出かかっていても答えられない花も多い。これは痴呆の始まりなのか。。(^_^;) 全種を撮っていたらキリがなので、適当にパスさせてもらう。(^^ゞ kayoさんは釈迦岳を見つめ、昨年歩いた長い長い釈迦新道を思い出しているようだった。
今日の天気予報は残念ながら当りのようである。だんだんガスが出てきて別山も隠れてしまった。山頂もあまり期待できないようだ。しかし、ここまできたらもうどうでもいい。なるようにしかならないし、晴れ女のkayoさんのパワーにも期待したいものである。ようやく殿ヶ池小屋に着くと、大勢の人が休んでいる。小屋の裏は陽が当らなくて涼しい。kayoさんから冷えたオレンジを頂き、景色を見ながらのんびりと休む。
私はこの殿ヶ池小屋付近の風景が好きなので、写真を少し多く載せておこう。(^^ゞ
道沿いには、ミヤマキンポウゲが咲き乱れる。斜面を彩るニッコウキスゲやシナノキンバイ、ミヤマダイコンソウなどを見ながら黒ボコ岩へと足を進める。蛇塚には、サンカヨウがまだ咲いている。おそらく室堂に泊ったと思う人達が続々と下りてくる。擦れ違うのに少々疲れる(苦笑)
8時半に黒ボコ岩に着く。観光新道、砂防新道へ下りる人、上って来る人、大人からあんな子供まで・・岩の上に座って暫く人間ウオッチングを楽しむ(笑)
弥陀ヶ原に入ると、ハクサンコザクラがお目見えする。水屋尻雪渓は、まだかなりの雪がある。前方に見える白山山頂は、ガスがかかったり・・晴れたり・・の繰り返し。どうやらチャンスはありそうだ。ガスが晴れれば暑いし、かかれば涼しいし・・ガスもなかなか捨て難いのも事実!(苦笑) 大きな石が並ぶ五葉坂は嫌いなのだが、今回は上りやすく楽に室堂に着いた。少し整備されたのか? 
「ほんまにここが山頂やったらいいのに〜!」と、kayoさんがボヤく(笑) 確かに疲れが溜まってくるここからが辛いものだ。鳥居を潜って神社の横からボチボチと登り始めると、前方から見覚えのある男性が真剣な顔で下りて来られる。尼の旦那さんのミツさんだ。自信を持って「ミツさんですか?」と声をかけると、「違います!」というあっけない返事。「うーむ、確かに似ているのにな?」なんて思いながら歩くと、すぐに尼のチーさんが手拭いを被ったオバさんスタイルで下りて来た。この人は間違えたくても間違えられない(笑) 実は、夫婦で昨日から白山に来ているのを聞いていた。約束はしていないが、会うかもしれないという予想は少ししていた。「ミツさんに無視されたわ!」と言うと、どうやらトイレに急いでいたらしい。私はトイレにも劣る存在なのだ(苦笑) 下の方でミツさんが気付いたようで、申し訳なさそうに会釈をしてくれている。どうやら「ミキさん」と聞こえたらしい。ミキさんはみれさんだというややこしい話は別にして、チーさんとkayoさんは初めての御対面である。「初めまして!尼の吉永小百合ですぅ〜」 「大垣の八千草薫ですぅ〜」・・(゚_゚;) なんちゅう会話!いくら言ったもん勝ちといっても、少しは常識というものがあってもいいはずだ(苦笑) ちなみに私は夏目雅子の時代なのでよく分からない。(^^ゞ\(`o'") クロユリは、この付近が見頃だ。
チーさんとお別れをして山頂へと足を進める。イワツメクサやヒメクワガタが咲く道、「まだあんなけしか上ってへんなぁ〜」と、後方からkayoさんの呟き(ボヤき?)がまた聞こえる(苦笑)
10時15分に山頂に着き、奥宮で手を合わせる。三角点付近には多くの人がいるので、新しく設置された方位盤の方から景色を眺める。大汝嶺の斜面や池には、まだ多くの残雪が残っている。ガスがかかっていて、遠望は全然効かない。大きな石の上に座り、上って来る人や下りる人を眺めながらオニギリを頬張る。山頂付近もガスに包まれると、急に寒くなってくる。
下山は砂防新道は止めて、kayoさんがまだ歩いた事のないエコーラインに決める。五葉坂を下ってエコーラインに入ると、今までの人波がウソのように消えて静かになる。何だかホッとして落ち着く。ハクサンコザクラやチングルマの咲く道を、南竜の建屋を眺めながら下りていく。南竜もkayoさんはまだ見た事がなかったらしい。南竜との分枝に下りると、ガスが濃くなりパラパラと小雨が降ってきた。しこし日頃の行いのせいか、カッパを着込むまでもなく止んでくれたので助かった。
砂防新道に入って甚之助小屋で小休憩、多くの人達が休んでいる。虫が鬱陶しく纏わりつく。kayoさんは、思わず?2匹ぐらい食べてしまったらしい。かなり栄養がありそうだが苦かったとか?(笑) 下るにしたがって暑さが増して汗が流れてくる。道が途中で少し付け替えられていたのは知らなかった。「まだかいなぁー!?」とkayoさんの呟きがまた出てくる頃、別当出合のシンボル的吊橋が見えてきた。別当出合着14時20分。

市ノ瀬に戻って着替え、ビジターセンターで美味しい湧水の場所を聞いたが、また戻らないといけないので行くのは止めにする。kayoさんがせっかく持って来た入れ物が空しいが。。敦賀インターで17時過ぎにお別れする。


今日は2年ぶりの白山に行く事ができて大満足となった。やっぱり花の白山はいい。ちなみに同じ日に山友のみれさんは、南竜テン泊で白山〜別山〜チブリ。Junさんは、南竜〜別山〜チブリを歩いておられた。福井の人間にすると、白山は特別の存在だと思う。今回は車中泊で、涼しかった事もあって体がとても楽に感じた。水がかなり余るなんて珍しい。(^^ゞ kayoさんも満足してくれたようで良かった。 お世話になり感謝♪
ササユリ キヌガサソウ ハクサンフウロ
シナノキンバイ チングルマ サンカヨウ
ゴゼンタチバナ ベニバナイチゴ ミヤマダイモンジソウ
ミヤマダイコンソウ ミヤマキンポウゲ アオノツガザクラ
コケモモ ヤマガラシ カワラナデシコ
ニッコウキスゲ クロユリ ハクサンチドリ
テガタチドリ ヨツバシオガマ ハクサンタイゲキ
イワツメクサ ヒメクワガタ ミヤマクワガタ
ハクサンクワガタ ヤマハハコとシモツケ ツマトリソウ
ミヤマコゴメグサ カラマツソウ コイワカカミ
キバナノコマノツメ ミヤマハタザオ コケイラン
 <休憩を含む行程時間>
 別当出合(4時55分) → 別当坂分枝(5時58分) → 殿ヶ池避難小屋(7時19分) → 黒ボコ岩(8時33分)→ 室堂(9時22分)
  → 山頂(10時16分〜10時56分) → 室堂(11時22分) → エコーライン → 甚之助非難小屋(12時37分) → 別当出合(14時20分)
 
 <所在地>
 石川県白山市白峰  MAP  GPS軌跡






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