白 山(2702M) 6月17日(金) 曇  みれさん
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今年は残雪期のもう少し早い時期に登りたいと思っていたが、所用や天候に恵まれずに延び延びになっていた。1週間程前から毎日天気予報とニラメッコ!梅雨時の当てにならない予報に悩んだが、前日になってどうやら良さそうなので決行する事にした。先日行かれたテクテクさんの情報によると、だいぶ花が咲き始めているようなので展望が悪くても花で満足できそうだ。仕事が休みだったみれさんが急遽同行する事になった。晴れ女のみれさんが来てくれれば助かる(笑)

翌日起きてみると小雨が降っている。ちと不安が過ぎるが予報を信じよう(笑) 福井市内に入る頃には一旦上ったが、勝山に入る頃には大粒の雨が降り出してきてガックリ! ところが白峰に入ると道が乾いていて降った様子がない。「私のパワーを信じなさい!」とでも言いたそうなみれさんだった(クッソ〜笑)
駐車場に入れずに少し手前の車道の空地に車を停める。上空には濃いガスが立ち込めているが雨は降っていない。準備をして車道を歩いていると、別当出合の建屋の少し手前の短い橋の所で右下からガサガサと音がする。何だろう?と覗いてみると・・何か黒い物体が!!! 「クククマや!」「キャァー!」 私達の気配を感じたクマは、猛スピードで斜面を沢の方に下りて行った。一瞬の出来事だったので写真に撮る事ができなかった。初めて見たクマにビビリまくるみれさん!(笑) 私も初めてだったがそれほど怖いとは感じなかった。それほど大きくなかったので「高校生ぐらい?いや、中学生ぐらいやで!」なんてアホな事を話していると、そのクマが今度は私達の50Mぐらい先の車道を横切って左の山へ駆け上がって行った。「ギャー!」みれさんは「もう帰る!」と・・ダブルパンチに失神寸前!(笑) 当然山にクマがいるのは当り前だという事は分かってはいたが、こうして実際目のあたりにしたのがかなりショックだったようだ。そして・・「もうこれから1人で来れんわ。。」と・・悲しそうに呟いた(笑)

どうにか宥めて建屋に着く。どうやら私達だけのようである。コースは観光新道〜山頂〜砂防新道。花を見るには観光新道は絶対に外せない。5時30分発。 
約1年ぶりの白山に足を踏み入れる。偉大な神聖な地へ入って行くという意識があるのか?・・いつも不思議な感覚を覚え、1歩1歩踏み締めるようにして歩く。露に濡れた目覚めたばかりの深い森。道脇にはマイヅルソウやユキザサの群落。濃い緑の中に目立つダケカンバ。道もまた一段と整備されたようで歩きやすく感じる。先程のクマさんの影響か?・・僅かな音にもビビるみれさん!(笑) 時々ホイッスルを吹きながら歩く。。
白山禅定道との分岐で小休憩。ガスで景色は全く見えない。別当谷を流れる豊富な水の音だけが微かに聞こえる。ここからの尾根歩きでいろいろな植物がお目見えする。まだ数少ないゴゼンタチバナ、ツマトリソウ、そしてハクサンチドリなど。。ガスの中、露に濡れたムラサキヤシオの赤紫?の色が何とも言えず美しく・・思わず声が出るほどだ。道脇に咲くミヤマキンポウゲが気分を明るくさせてくれる。
殿ヶ池小屋に近付くにつれて残雪が現れてくる。硬くもなく・・軟らかくもなく歩きやすい。小屋前で小休憩。だんだんと明るくなり、ガスが晴れてきたようで期待が膨らむ。みれさんが休憩中に虫に刺されまくる。何でだろう?・・私の方が若くて美味しそうなのに。。(笑) 砂防工事のサイレンの音が空しい(笑)
馬のたてがみに向けて登る斜面には、シナノキンバイなどが咲き乱れている。花が開き始めたニッコウキスゲを見つけて喜ぶ。いよいよ黒ボコ岩が近付いてくる。テクテクさんのレポの通り、小高くなった所を探していると・・あった! 雪田脇のちょうど県の標柱らしき物が立っている付近にハクサンイチゲが群落を作っている。感動だ。花を踏まないように登り写真を撮る。
黒ボコ岩に到着。上空には青空が広がってきた。岩に上ってみると、別山方面はガスがかかっているが御前峰がスッキリ見える。みれさんの自慢気な態度!(笑)・・分かってますがな。どうせ私だけやったら・・嵐です、ハイ。。(--;)
室堂に向け弥陀ヶ原を歩く。まだ多い所では1M以上の雪がありそうだ。五葉坂、室堂の周りにはもう雪はなかった。関係者が慌しく小屋開きに向けて準備をしているようだ。もうすぐここも多くの登山者でごったがえす事だろう。少し休憩して山頂へ向う。
11時25分山頂。風もなく穏やかだ。しかし不思議な天気だ。山頂付近はこんなに晴れているのに・・周りはガスだらけ。。ようく見ていると、ガスが山頂だけを避けていくような感じだ。これが・・みれパワーか?(笑) 静かだ。他は大阪からの単独の方と、後から上ってきた4人のパーティだけである。別山方面のガスが晴れないかと期待し、一番東側の場所で簡単な昼食にする。雑談等で1時間少々時間を潰すが、晴れるどころか怪しくなってきたので下りる事にする。これだけ見れれば満足だ。
ガスの中の弥陀ヶ原を歩き、黒ボコ岩より砂防新道へ下る。ガスが上ってようやく別山が姿を現してくれた。美味しい延命水で喉を潤す。この水は本当に美味い。ここで奈良から来たという若い男性に会い、少し話をする。今晩は室堂に泊り、明日の御来光を楽しみにしていると言うので、「明日は絶対大丈夫ですよ」と声をかけ、不安を拭い去ってあげる(笑) いくつかの残雪が残る小さな谷を恐る恐る渡る。足下から水の流れる音が聞こえ、踏み抜かないかと心配になる。先に渡ったみれさんがこちらに向いてカメラを構える。「何を撮るの?」「SIVAが踏み抜いて落ちるところ!」「えっ、助けてくれんの?」「撮ってから助けてあげるわ!」「(--;)」・・南無阿弥陀仏!

谷の上の斜面にキヌガサソウの群落を見つけるが、これはちょっと登れそうにない。テクテクさんが撮った写真はここではないだろうと思いさらに下ると、10M程右下に咲いているのを見つけ下りて写真を撮る。目当ての花の残りは緑のニリンソウだけである。実はこれが一番難儀する事になる。
甚之助小屋で小休憩し、さらに下るとサンカヨウとニリンソウの群落がお目見えするが・・そのニリンソウの数が半端ではない。次から次へと右左と現れる。最初立ち止まっては真剣に探していたが・・だんだん目がおかしくなってきてイヤになってきた。(^_^;) 「テクテクさんはようこんなの見つけたなぁ」と感心せずにはいられなかった。もう諦めていい加減に下りてきたところ・・とうとうみれさんが見つけてくれた。ほとんど最後の群落だった。初めて見る緑のニリンソウに感激である。ようく見ると、ここの群落だけが異常のようである。赤混じりがあったり・・半々のオカマのような花もある(笑) これでようやく安心して下りる事ができる(笑)

花を探したり撮ったりと・・かなり遅くなってしまった。ようやく別当出合に着いた時には4時を回ってしまっていた。。f(^-^;  
今期ようやく白山に登れ、花が見れて大満足だった。天気も含めてこれもみれさんのおかげだと思う。老眼がかっていても・・やはり4つの目!(笑) 私だけだったらこれほど見つけられなかっただろう。クマ体験もできて(笑)充実した日になった。感謝である。
ハクサンイチゲ
ハクサンチドリ
ミヤマキンポウゲ
キヌガサソウ
ゴゼンタチバナ
ニッコウキスゲ
シナノキンバイ
ミヤマキンバイ
サンカヨウ
ツマトリソウ
ミツバオウレン
ユキザサ
マイヅルソウ
ハクサンハタザオ
変ったニリンソウ
オオバミゾホオズキ
イワナシ
キバナコマノツメ
ツガザクラ
コイワカガミ
ミヤマダイコンソウ
ヤマガラシ
コメバツガザクラ
ミヤマキスミレ?
ミヤマタネツケバナ
ヒメヨウゴイチゴ
カラマツソウ
アカモノ