行市山(659.7M) 12月14日(木) 曇  チーさん
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今回のチーさんとの12月定期山行は、決るまでまるで北陸の天気のように荒れまくった。最初15日の予定だったが天気が悪そうで、前々日になって急遽14日になった。しかし私は夜勤明けなので遠出ができない。湖北の候補の中から呉枯ノ峰か?行市山(ぎょういちやま)か? ところがチーさんに行市山を勧めたところ・・「はん?何その山?どこの山?」ときたものだから私も少しキレかかる。定期山行の大半は、一応チーさんの候補にそって決めているのである。「候補に上げてあったやないか?」「知らん!そんな覚えはないで!」(--;)「それはともかくとして、持ってるガイドに載ってる山ぐらい、行かんでもどんな山があるかぐらいは覚えておき!ギャク考えとるヒマあったらな!」「アッタマきた!奈良やら鈴鹿やら御経?聖書?やら・・覚えなあかん事がいっぱいあるねん!そんなヒマあるか!アホ!」(-_-X) こんな感じである。チーさんが余呉駅に着いてからも険悪なムード。ま、しかしそこは悲しいかなお互い年の功で、丸く治めようとする力が自然と働くのである(苦笑) 「行市山はガスで全然見えんよ。やっぱり呉枯ノ峰にする?」\(`o'")

余呉湖の北に位置する行市山は、賎ヶ岳の合戦の時に柴田勝家側の武将達の砦のあった山である。山全部が一つの巨大な要塞と言っても過言ではないだろう。しかし勝家は、この要塞の利点を少しも生かさずに秀吉に負けてしまった。そんな深い歴史が眠る山である。
R365、今市バス停から新堂に入って右に行くと、毛受(めんじゅ)兄弟の墓がある。「毛受の森」として整備もされているようだ。余呉駅から10分もかからない。毛受兄弟は、柴田勝家の身代わりとなって奮戦し最期を遂げた。勝家と思って討ち取った秀吉は、違う事を知ってこの兄弟を褒め称えたという。道を挟んで隣には村?の墓地もある。あまり長くは居たくない雰囲気なので・・ボチ墓地行きましょか!(^^ゞ ガスは低く垂れ込め、雨が何時降ってきてもおかしくない天気である。展望は全然期待できそうもないが、チーさんの「昼頃には絶対良くなるって!」という言葉を信じよう。(あまり信じたくないが・苦笑) 墓地の横の柵を開けて登山道へと入る。
チーさんから提供
今朝まで雨が降っていたのだろう。濡れた落葉を踏み締めながら歩く。時折木の葉に付いた雨露が落ちてくる。道は広く穏やか。地元の方の整備が行き届いているのだろう。100Mごとに山頂までの距離が書いてある杭が打ってある。「500Mごとでもええのに!」と・・誰かが呟く(笑)
風はないが冷気が心地よい。寝不足で最悪の条件ではあるがいたって快調。このぐらいの寒さが私にはちょうど良い。誰かさんは、毛糸の帽子なんか被っているので・・カッカするのか?(笑) 毛受兄弟の砦のあった林谷山への分枝に着くが、帰りに時間があったら寄る事にして山頂へ先に向う。尾根道を登って行く。所々左に開けている箇所があるが、白い世界が広がっているばかり。。(^_^;)
尾根が細くなり、すぐ右下に林道が走っている。上の左の写真は、歩いて来た尾根道を振り返ってみたところである。市販されているいくつかのガイドの地図は、林道と登山道との位置関係が少し曖昧である。実際に林道を横切るのは、さらに少し登った右上の写真の箇所1度だけである。
林道を横切って左下に林道を見ながら歩いて行くと、やがてコナラやミズナラの美しい空間に変わる。道は広く緩やかにその間を縫うように付けられている。前方上部は台地状、前田利家の砦があった別所山だ。その昔は寺があったらしい。思わず立ち止まってしまうような空間だ(私だけかもしれないが)
広く平坦な別所山。さすが前田さんの砦とあって案内版も立派である。別に休憩をする必要もないのだが、何となく少し居たくなる風景が広がっている。ガスの効果もなかなかである(苦笑) 別所山を過ぎるといよいよ道も急になってくる。距離的には長くはないが落葉でかなり滑りやすい。人馬が駆けられるように造られた軍用道らしいが・・ちょっとそれは無理なような気がする。いや、昔の事は分からない。今では想像できない事もよくある。(一人で何をブツブツ言ってんねん?)(^^ゞ
山頂まであと僅か。道が緩やかになってくると植林帯に入る。植林といっても、これだけ見事に手入れされていると美しく見えてしまうので不思議である(笑) やがて佐久間盛政の砦があった行市山山頂に着く。ササ野原で東側が開けているが展望は相変わらずない。
風は全くないが、じっとしていると寒くなってくる。シェルを着込んで丸太に座って昼食タイム。今日はチーさんのお勧めの「棒ラーメン」とかいうシロモノ。ぶっきら棒に・・棒のような人から棒が出てきたのには笑ってしまったが、「木偶の坊」でなかったのには感謝である。(^^ゞ お味はなかなかの美味でシコシコした麺がグッド!さらに敦賀産?の焼豚を乗せるとさらにデリシャス。美味しく戴いていると、突如としてガスが切れて広がる展望に麺も伸びる(苦笑) ガスの上に薄っすらと伊吹山、白く雪化粧した金糞岳、すぐ近くには横山岳。まあ、それ岳(だけ)ではあるが、諦めていた展望だっただけに嬉しくなる。たまには尼の言う事も当るものである。\(`o'")
奥に微かに見える伊吹山
奥に金糞岳
横山岳
すっかり気分も上々で、柴田勝家の本陣があった玄藩尾城方面へ少し歩いてみる。僅かな踏み跡があるもののこの先は怪しいものである。ここから約3K?、いつかは縦走してみたい道である。
僅かではあるが、上り辛かった道を下るのもまた難儀。ここを過ぎればルンルンに歩ける。またぐんぐんとガスの中に入って行く。(^_^;) 帰りに回した林谷山へ寄って下山した。
12月は急変する天気やら所用が多くあり、なかなか計画が立て難い。最初いろいろゴタゴタがあったがそれは抜きにして(笑)こうして歴史深い山を静かに歩く事ができて満足だった。
<休憩を含む行程時間>
登山口(10時07分) → 林谷山分枝(10時22分) → 中谷山(10時38分) → 林道出合(10時57分)
→ 別所山(11時11分) → 山頂(11時57分〜13時40分) → 林谷山(14時41分) → 登山口(14時59分)

<所在地>
滋賀県伊香郡余呉町  
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