銀杏峰(1440M) 平成25年10月21日(月) 曇のち晴  みれさん
やっと今日の休みは天気の心配はなさそうだ。しかし北か南か?・・山選びに迷う。みれ殿に希望を伺うと、京都北山や比良や若狭や奥越の山など・・どっさりと出てきて余計に分からなくなってきてしまう。相変わらず欲張りなお方だ(笑) その中で、もしかしたら白山の初冠雪が見れるかも?というのと、奥越の山は今年最後かもしれないという私の気持ちもあって、銀杏峰の親水古道(中島コース)をチョイスした。このコースは銀杏峰へ登る道としては一番古いらしく、数年前に再整備された直後に山友と歩いた事がある。

大野市内に入ると、さすが私らしく霧が立ち込めている。一般的に朝の霧は晴れる証拠とも言うが、私の場合は当てになるわけがない。R157に入り、上庄芋の畑など眺めながら温見峠方面へと向う。久しぶりに通る道だ。真名川ダムなどを過ぎ、中島トンネルのすぐ手前の右の林道へと入る。入口には案内板も立っている。林道は草が生い茂り、ゆっくりと進む。以前来た時はもっと綺麗だった印象があるが、最近はあまり使われていないのだろう。左手の登山口を見送り、少し先の橋を過ぎた空き地に車を停める。何時だったか爆音を響かせながら上って来た赤いラインの入った軽トラに、奥越の美女二人が乗っていて驚いたあの日がふと蘇る(笑)

車から出ると、思っていたより暖かい。私なら半袖でも十分だ。昨夜遅くまで雨が降ったせいか、土も草木もよく濡れている。私もみれ殿もスパッツが嫌いで滅多に付けないのだが、今日はドロドロになりそうな予感。すでにお互い綺麗とは言えない身なので構わないのだが、一応準備をして登り始める。



急坂を上り、植林地を縫うように道は付けられている。いくつか作業道との別れがあるが、赤いテープを頼りにすれば問題はない。1番から9番までの番号札も付けられている。みれ殿は一昨日のクライミングで筋肉痛らしく、足を動かすたびに痛いらしい。ま、このぐらいのハンデがあった方が好ましい(笑)

やがて道が緩やかに続く広々とした雰囲気の場所に出る。この付近を穏野ヶ平と呼ぶらしい。みれ殿はナメコを期待しているのか美味しそうに見えるのか、キノコがあるたびに大きな反応を示す
(笑)



やがて自然林になり、静かで山奥深い雰囲気が漂ってきて好ましい。クマなどに樹皮が剥ぎ取られた木が多く、立ち枯れも目立つ。みれ殿の小顔を薄い蜘蛛の巣が直撃するようで、度々困ったように立ち止まる。しかし交代しようという言葉が喉まで出かかっても、なぜか口からは出てくれない。(^^ゞ

すぐに急登が始まる。V字のようになった一直線の上り坂。道は泥濘んで滑り易く、上部にはロープが付けられている箇所もある。



やがて道は斜面を九十九折に切るようになり、広々としたブナ林が視界に飛び込んでくる。道は歩き易いとは言えないが、周囲の自然と調和していて好感が持てる。

木々の間から青空が見え、隣の尾根が薄っすらと紅葉に染まっているのが分かる。しかし今から期待するのは早々だという事は、私の経験上から身に染みて分かっている。
(^_^;



それにしても美しいブナ林。前回初めて歩いた時も、ここの印象が強かったのを覚えている。これが紅葉したらどんなに美しいか!と想像してしまう。

道は急坂とまでは言えない微妙な傾斜が長く続き、だんだん足に堪えてくる。今日は最近にしては少し重荷なので、尚更なのかもしれない。それに暑い。なぜこの時期に、こんなに汗をかかなきゃならないのだろう。やっぱり少し異常だよね。みれ殿も、最近はやたらと汗をかくようになったらしい。これも異常!?
(笑)



稜線がすぐ間近に見え、水場に着く。ここは広場のようになっているが、昔は作業小屋?があったらしい。オーレンなども栽培されていたようだ。南側180度くらいの展望がいいが、残念ながら美しい?ガスでよく見えない。

水を口にしてみるが、なかなか美味しい。ここで少し長めの休憩をして、私も完全復活する
(笑)



水場から少しですぐに稜線に上る。陽射しが当たり、想像していなかった美しい紅葉に感激。神も、たまには情をくれるのか。。

紅葉に染まった木々を眺めながら、緩やかな稜線を気持ち良く歩く。風もほとんどなく穏やかだ。



青空が見えて少しだけ期待したいが、やっぱり甘かったようだ。特に北側白山方面が、ガスで全く見えない。
「最初から期待してないからええよ!」
優しくて、そして冷たい言葉をありがとさん。
(^_^;

南側の展望が申し訳ない程度に少し。姥ヶ岳がすぐ近くに見えるはずなのだが。。
(^_^;



稜線歩きはけっこう長い。小さなアップダウンがあるが、烏帽子と呼ばれるピークがはっきりしている。ただ山頂?には三角点や、標示板はなかった。

先程のブナ林から見えていた尾根だろうか?全体的にかなり紅葉していて綺麗だ。



周囲は笹に変わり、見通しが良くなってくる。

前方に山頂付近が見えてくるが、相変わらずガスが次々と流れてくる。



足元には僅かだがリンドウが咲いている。右のは奇形?



草紅葉もなかなか綺麗だ。

名松コースの分岐を過ぎ、天竺坂を越えて行くとやがて山頂が見えてくる。



誰もいない静かな山頂に到着。やはり周囲の景色はほとんど見えないが、ここも意外に寒くはなく穏やか。

しかし、そろそろ温かい物が欲しくなる季節。具はあまりないが、久しぶりのウドンが美味しい。みれ殿は太るからと、なるべく食べないようにしているみたいだが、帰りにアイスや菓子を食べれば全く無意味のように思われる
(笑)



まったりと過ごしていると、だんだんと天気は良くなってきたようだ。相変わらず北はダメだが、南方面が少しずつ見えてくる。能郷白山なども、雰囲気だけは分かってくるようになる。



正午になるが、誰も登って来ない。今日はどうやら私達の貸切のようだ。下山を始めると、大野市街が見えてくるようになる。

反対側から見る尾根も、ちょうど紅葉に陽が当たって綺麗だ。



みれ殿が、なぜこんなに昆虫に気が付くのか分からない。やはりまだナメコを諦めずに狙っているのか?(笑) そういえば、自然に木に留まっているクワガタなんか見るのは子供の時以来かもしれない。



まだ濡れて滑り易い急坂を、注意しながらゆっくりと下って行った。


こうして美しいブナ林、快適な稜線歩きと、親水古道ならではの良さを満喫した。期待していなかった紅葉にも出会え、本当にラッキーだった。

 
休憩を含む行程時間
 登山口(7時30分) → 水場(9時25分) → 烏帽子(10時30分) → 山頂(11時00分〜12時10分)
 → 水場(13時05分) → 登山口(14時20分)

 所在地
 福井県大野市中島
   MAP   GPS軌跡





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