藤原岳(1140M) 平成22年3月17日(水) 曇一時雪  kayoさん
この時期になると、毎年気になるのが福寿草である。もうそろそろ止めようかと思ってはみるのだが、ネットなどで話題になってくると、やはりだんだん見に行きたくなってくる。私の所からだと霊仙山の方が遥かに近いのだが、どうも相性が悪いようなので、つい藤原岳の方に目がいってしまう。今年で5年連続になる。

藤原岳の主なコースはだいたい歩いているが、前から気になっている花が多い孫太尾根がまだ残っていた。この尾根は皆さんのレポで長くて歩き難いという印象を持っていたのだが、ちょうど藤原岳を庭とするkayoさんもまだだという事なので、今回は思い切ってこのコースを歩いてみる事にした。kayoさんとなら、
鬼に瓶である!(意味不明?(^^ゞ)

孫太尾根から上がって表道で下りる事にし、2台の車で藤原岳へ向うが、天気が予報に反してどうもすっきりしていない。山肌を見ると、かなり下から白くなっている。この辺は大した事はないと思っていた寒波の影響を諸に受けているようだった。(^ ^; これで花は絶望的だと確信してしまった。あまりにも早過ぎ!遠方からわざわざ来ているのに、少しは楽しませてくれる余裕は君にはないのかい?藤原君よ!(泣笑)

気を取り直して、kayoさんの車を表道の駐車場にデポし、私の車で新町にある孫太尾根の登山口に向う。ここは少しややこしいのだが、大先輩の三太夫さんがブログに道順の詳細を書かれていた事を思い出し、容量の少ない頭に必死に叩き込んだおかげで一発で着く事ができた。

墓地の空地には、まだ1台も停まっていない。その奥には、レポの写真で見慣れた配水施設がある。空は少し明るくなったようだ。準備をして7時30分に出発する。配水施設の横を通り、すぐの分岐を左にとると山道らしくなる。所々にテープがあって踏み跡もしっかりしているが、傾斜はすぐに急になる。最近、kayoさんは古い小瓶の収集と肩に(が)凝っているらしく、周囲を熱心に見ながら歩いている。花より瓶かな!?
(苦笑) 私にも「注意してくれ!」と、おっしゃられても非常に困る。(^ ^;

急登を終え、最初のピークの神武祠に着く。跡らしきものが何か残っているかと探したが、よく分からなかった。

神武祠から樹林帯の歩き易い道だと思ったのもつかの間、石灰岩がゴロゴロした特徴的な道に変わる。石には苔が生え、昨夜の雨?のせいか濡れて滑りやすく歩き難い。ふと足元を見ると、ヒロハノアマナがあるのを見つける。残念ながら花弁は開いていない。天気の状態が気になり、何度も周囲や山の上部を見るが、濃いガスがかかっていて面白くない!(苦笑) しかし、今期初めて見るネコノメソウやスミレもあり、気分が幾分安らぐ。(両上の写真にマウス!)

やがて、丸山への急な上りになるが、ここも濡れた土や岩が滑って非常に歩き難かった。

花が多いと聞いていた丸山に着く。さっそくkayoさんが、瓶は諦めて花を一緒に探してくれる(笑) さすがに自分を花だとはもう言わない(笑) 拾いの名人らしく、すぐに節分草を見つけてくれた。雪で少し傷んでいるが、今期初めての節分草に感激する。続いて福寿草のお出まし。これも花弁が傷んでいて開ききっていないが、諦めていたのでこれでも十分だと慰める(苦笑) (両上の写真にマウス!)

丸山を過ぎると雪が現れ、空からも粉雪が舞い出してきた。風も少し出てきて寒くなってくる。しかし、カッパを着込むまでもないのがありがたい。そういえば、最近のkayoさんは、「天気は晴れ女の私にまかしんしゃい!」とは言わなくなった。悲しいが、私の時はもう無理だというのがようやく分かってきたのだろう。。
(苦笑)

薄っすらと積った雪を、沈んだ気持ちで踏み締めながら歩く。テープは付いているが、なるべく尾根芯を外さないようにする。丸山の次は「草木」というピークなのだが、うっかり忘れて見落としてしまった。(^^ゞ

多志田山への上りの手前に左の方にはっきりしたトラバース道が付いていたが、ここは無視して直登する事にした。テープは所々に付いてはいるが、これが非常に登り難かった。踏み跡がよく分からず、急な上に中途半端な雪が付き、足の置き場に注意をしないとズルズルと滑ってしまう。なるべく登り易いルートを考えながら進むが余分な力が要り、ここがこの道中で一番疲れたとこである。上のkayoさんの表情で察しが付くだろうか?(微笑)

多志田山からは一旦大きく下ると、目の前に山頂への急な立ち上がりが現れる。上部は相変わらずガスで全く見えない。右には、藤原鉱山の削られた痛々しい山肌をさらし出しているのが見える。

山頂への上りも急で登り難いのだが、幾分足掛かりがいいので先ほどより若干マシな気がする。石灰岩の間には、雪が積って冷凍状態のような福寿草が顔を出している。数はかなり多く、花弁が開いていると見応えがあるだろう。残念だ。(^ ^; 少し空が明るくなってきた。 (両上の写真にマウス!)

途中から振り返ると、長い孫太尾根の全容を見る事ができた。格好の良い尾根だと思うし、一度聞いたら忘れられない名でもある
(笑)

山頂大地の端に上がり、緩やかな道を進む。体は全開燃焼が終ったばかりで火照って寒くはないが、木々には細かな霧氷が付いている。

まだ誰もいない山頂に着く。登山口から3時間半かかった。展望は悪いが、天狗岩ぐらいまでは確認できる。風が強いので、写真だけ撮ってすぐ山荘に向う。アセビの花芽も凍っている。道中で、今日初めて人と擦れ違う。「展望はどうか?」と聞かれたが、私の顔の表情で分かったはずである(苦笑)

山荘に近付くと、人の声が聞こえてくる。kayoさんに山荘の中で待ってもらい、周辺の福寿草を観察する。しかし、どれもこれも開いている変り者はいなかった。(^ ^;

小屋の中で昼食。人がだんだん増えてきて賑やかになる。私達の前に座ったグループの女性のザックの中からは、人数の倍以上はある食材が次々出てきて驚く。○○さんは、街でも山でも元気だ!
(笑) (両上の写真にマウス!)

ガスが晴れてきて風も収まり、小屋の外で昼食を取っている人もいる。下山を始めるが、まだまだ人が上がって来る。今日だけ天気がマシなので、福寿草ワンチャンス狙いの人が多いのだろう。ちと残念だが。。(苦笑)

下山道は、予想通りの名物のドロドロ街道!ハンパなドロじゃない。
(^ ^; 本当はいけない事だが、道を避けて斜面を下る。斜面には福寿草がたくさんあるが、ここも全部花弁は閉じている。花を踏まないように、細心の注意をしながら下って行った。 (両上の写真にマウス!)

九合目からは、下の街並をどうにか望む事ができた。岩の方の福寿草を見に行くが、ここも残念ながら一緒である。これで、今日は完全に諦めた!(苦笑)

八合目まで下りて、ドロドロ道からやっと開放された。

八合目からは、整備された緩やかな表道を下って行く。ジグザグに付けられた道は非常に歩き易いが、変化がないので退屈である。飽きて嫌気が差してきた頃、登山口でもある神武神社に着いた。

さて、普通ならこれでkayoさんの車で孫太尾根の登山口へ戻って終りなのだが、普通ではないのが我々の試練の鈴鹿である!(苦笑) 

「あのう〜 鍵がないんすけど?」
「ない!というのは、え〜と?落としたわけじゃないなら、つまり・・ あーあ、そういう事ね!」

 ・・けっして口に出しては言えないが、最○!(_ _。
)

男らしく平静を装ったものの、頭の中はパニック状態である。確か6Kぐらいのはずだから、歩いても1時間半ぐらいか?駅員にお金を借りて電車に乗るか?kayoさんにヒッチハイクを頼んでも、止まってくれるのはせいぜい軽トラのお爺ちゃんぐらいか?(^^ゞ\(`o'")  取り合えずザックを車に置き、西藤原駅へ行って駅員に尋ねると、伊勢治田駅から歩いてもあまり変わらないのでは?と言う。それなら覚悟を決めて歩く事にしたが、後から調べると、伊勢治田駅から歩いた方が半分以下で済んだ。クッソ〜(怒笑)

「ついでに瓶は落ちていないかな?」と、そういう場合ではないはずなのに、kayoさんの目は真剣だった
(苦笑) 道中からは、歩いた孫太尾根が目に・・沁みる。(^ ^;

1時間も経つと話も尽き、無言でひたすら歩くようになってくる。1時間半を過ぎるが、GPSの距離はまだかなりある。結局、6Kというのは嘘で、8Kもあったのだった。最初に分かってたら、絶対電車に乗ったのに。。(泣笑) 車を停めた墓地に近付くと、kayoさんがまたもや瓶を探し始める。この人は、やはり凡人はでなく・・超偉人だった。。(笑) 丸2時間もかかってようやく車に戻る。ふぅ〜(^ ^;

最後のオプションは別にして、孫太尾根をようやく歩く事ができて満足。花の仇は必ず次回に!最後にこんな事を言って申し訳ないが、今回だけは私に感謝やな♪(爆)
 <休憩を含む行程時間>
 新町登山口(7時30分) → 神武祠(7時45分) → 丸山(8時45分) → 多志田山(10時15分) → 展望丘(11時00分)
 → 藤原山荘(11時15分〜12時20分) → 九合目(12時40分) → 八合目(12時55分) → 表道登山口(13時50分)

 <所在地>
 三重県いなべ市 
 MAP  GPS軌跡






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