荒島岳(1523M) 11月28日(木) 晴  単独
19日に寒波が来て、我が地元の野坂岳も上部が雪化粧をした。今年は例年より少し早い。早く初雪を踏みたかったのだが、都合が付かなくて今日という日になってしまった。野坂岳もすっかり溶けてしまっている。奥越の山ならまだありそうなので狙ってみるが、天気の判断が難しくてかなり悩み、行く事に決めたのは結局朝起きて天気予報を確認してからである。ガソリンの値がどんどん上がり、我が貧乏人の懐を直撃する。以前のように遠出してガスの中を無駄に徘徊できないのである。f(^-^;  前日に2台分のタイヤを冬用に交換して腕が少々痛い。貧乏人は文明の利器とは無縁なのだ。(^_^;)
月日が経つのは本当に早い。荒島岳も前回から早2年が過ぎてしまっている。8時過ぎに勝原スキー場に着くが、駐車場には車が一台も停まっていないのは珍しい。連休明けだからだろうか?思ったより寒くもない。空はだんだんと青空が広がってきていい調子だ。最後まで、くれぐれも裏切らないでいただきたいものだ。

ゲレンデに敷き詰められたチップの上をゆっくりと登る。何の楽しみのない急坂、トップまで我慢の為所だ。九頭竜川を挟んだ後向いの小山の紅葉が、遠目にはまだ綺麗に見える。トップ付近に来ると展望が良くなり、白くなった頂の経ヶ岳や、遠くに越前甲がぽっかりと姿を現す。雲一つない青空になってきた。・・珍しい。。(^^ゞ 茶色に茂ったススキが哀愁を感じさせる。
ゲレンデのトップから登山道に入ると、ドロドロになった滑りやすい道が暫く続く。ここでもし転んだら、かなりの害を被りそう。おそらく登る気力が完全に失せて、すぐ下山をする羽目になるだろう。

やがて、メインのミズナラからブナ街道へと入って行く。葉をすっかり落として明るく、何時来てもいい空間が広がる。木々の枝の間から右手上には小荒島、左手上には前荒島が見え隠れする。左下の写真はトトロの木、右下はブナコブの木と呼ばれている。
白い輝きを放つ雄大な白山が見えてくる。何回見てもプチ感激の瞬間だ。ついつい立ち止まって眺めてしまう。

やがて、道脇にぽつりぽつりと雪が現れてくる。無意味に雪を踏んで久しぶりの感触を味わう。(^^ゞ 無風で暖かく、長袖のシャツだけでも汗が流れてくる。いよいよシャクナゲ平への急登だ。道上にも雪があり、踏み固められてアイスバーンになっている。アイゼンはシャクナゲ平で付けようと・・一歩一歩慎重に登って行く。
駐車場から約2時間程でシャクナゲ平に着く。10センチ少々の積雪がある。ザックを降ろして腰を掛け、初めて休憩らしい休憩をとる。雲一つない青空、真っ白な雪に陽が反射して眩しい。時折木の枝やササに積もった雪が、ガサっという音を立てて落ちる。静かなので余計に大きく聞こえ、か弱い我が心臓に悪い。雪山では普通(当たり前)の事ではあるが、いくら分かっていてもやっぱり・・好ましい音ではない。枝の間から白山がよく見える。

前方に見えるもちが壁、山頂方面はここより少し雪が深そうである。これからの急登に備えて六本爪の軽アイゼンを装着する。前期は一度も使う機会がなかったので、これまた久しぶりでザクザクとした感触が心地よい。
一旦下る所には陽が当るので雪はほとんど溶けてないが、日陰になるもちが壁の取り付きからはしっかり付いている。連休には多くの人が登ったのだろう。踏み固められた雪がガチガチに凍っている。木や鉄や岩があり、雪も中途半端なので質が悪い。足の置き場に注意しながら慎重に通過する。
上部から振り返ると、シャクナゲ平や小荒島岳が見渡せる。もちが壁から前荒島に登りきると視界が開け、白山はもちろん、奥越の山々が目に飛び込んでくる。素晴らしい!感動である。こんな景色を見るのは・・???疲れも吹っ飛び、壮大な景色に足が動かなくなってしまう。

ま、足を動かさなければ遭難してしまうので、仕方なく景色を見ながらゆっくりと進む。信じられないぐらい風がない。稜線の積雪は30センチ弱ぐらいだろか。トレースを外すとごぼってしまう。さらに中荒島から山頂へと進むが、気分はもう・・ルンルンである。(^^ゞ
11時40分、久しぶりに若狭からやって来ました山頂である。やはり無風で暖かく手袋もいらない。ゆっくりと360度見渡す。眼下には大野の町並、福井、加越、越美の山々・・ 御嶽、乗鞍、隙間から穂高まで見える!深くは聞かないでほしいが、とにかく絶景だ!誰もいないので、ミニ三脚をセットして一人芝居を演じてみるが、5回ぐらい走ったら疲れてしまった。(^^ゞ

大雪で壊れた祠はまだ建てられておらず、雪の中に無造作に置かれた石仏が何だか可哀相である。三角点の横の岩に腰を掛けて昼食。以前独りの時は助六寿司が多かったのだが、最近はMさんには悪いがLのミニおにぎりセットがお気に入り。誰か一人ぐらいは登って来ると思っていたが、一向に来る気配はない。今日の荒島は、どうやら私独り貸切のようだ。1時間ぐらいのんびりして下山する。  
誰もが分かる白山
経ヶ岳 大長山 赤兔山など
大野市の町並
銀杏峰 部子山
姥ヶ岳 能郷白山など
屏風山など越美の山並
野伏ヶ岳や大日ヶ岳方面 御嶽山や乗鞍岳も見えているが・・?
下山はもちが壁を過ぎるまで緊張の連続だった。肉厚のケツを打つよりつんのめるのが一番怖い。けっこうスリリングで楽しめた。迷ったが荒島に来て大正解だった。初雪を踏む事ができ、また素晴らしい展望に大満足だった。今日という日に感謝♪
 <休憩を含む行程時間>
 勝原スキー駐車場(8時15分) → シャクナゲ平(10時20分) → 山頂(11時40分〜12時30分)
 → シャクナゲ平(13時05分) → 勝原スキー駐車場(14時40分)

 <所在地>
 福井県大野市  MAP






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